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[経済的支援に関する検討会]
[支援のための連携に関する検討会]
[民間団体への援助に関する検討会]
※ 出席者は、専門員等会議及び各検討会ごとに記載しているため、一部重複する。 (議事次第) 1.開会 2.猪口大臣あいさつ 3.構成員紹介 4.基本計画の策定等について
5.犯罪被害者等施策推進会議決定等について(1)
6.今後のスケジュールについて
7.自由討議 8.その他 9.閉会 (附属資料) |
(議事内容)
○事務局(荒木内閣府犯罪被害者等施策推進室長) 皆さん、こんにちは。お忙しい中、ご参集いただきましてありがとうございます。内閣府の被害者等施策推進室長をしております荒木と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ただいまから第1回「基本計画推進専門委員等会議」及び第1回「経済的支援に関する検討会」・「支援のための連携に関する検討会」・「民間団体への援助に関する検討会」の合同会議を開催いたします。
はじめに、猪口邦子犯罪被害者等施策担当大臣よりごあいさつ申し上げます。大臣、よろしくお願いします。
○猪口大臣 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。大変重要な施策分野でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。私は、この施策分野を担当しております特命担当の猪口でございます。
平成16年12月に、議員立法によりまして犯罪被害者等基本法が成立し、政府におきましては、犯罪被害者等施策推進会議の委員・専門委員の先生方のひとかたならぬご尽力によりまして、昨年12月27日、犯罪被害者等基本計画を閣議決定することができました。
政府といたしまして、基本計画に基づきまして様々な推進をしているところでございますが、中でも犯罪被害者等施策推進会議が、各種の施策がしっかりと行われているかを検証・評価・監視していくことへの期待を受けており、その責務を強く感じているところでございます。
また、犯罪被害者等の方々に対する手厚い経済支援や、様々な関係機関・団体等による継ぎ目のない支援の実現、さらに様々な支援を行う民間団体に対する国からの支援の拡充につきましては、犯罪被害者等の方々から、府省庁を横断した一層の取組を強く求める声が上がっていると承知しております。
こうしたことから、このたび、犯罪被害者等施策推進会議の決定によりまして、推進会議の所掌である犯罪被害者等施策の実施状況の検証・評価・監視を補佐する「基本計画推進専門委員等会議」が立ち上がりまして、推進会議の有識者委員・専門委員の皆様に集まっていただきましたこと、感謝申し上げます。また、経済支援のあり方、支援のための連携、民間団体への援助について、基本計画の規定に基づき、それぞれ「検討会」を立ち上げ、各テーマの専門家が集い、中身の濃い検討を集中的に行っていただけると存じております。大変私として心強く感じているところでございます。
冒頭申し上げましたとおり、大変重要な施策分野であり、私も自分の心を寄せながら推進していきたい施策分野でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、続きまして、構成員の方の紹介に移りたいと存じます。
お手元の構成員名簿の順で、有識者構成員の方々に自己紹介をお願いしたいと考えております。大変恐縮ですけれども、基本計画推進専門委員等会議の議長であります山上様からよろしくお願い申し上げます。
○山上議長 東京医科歯科大学で犯罪精神学を専攻しております山上と申します。民間の犯罪被害者援助団体の連合会である全国被害者支援ネットワークの代表も務めております。
昨年、基本形各検討会の座長代理として基本計画案のとりまとめの役割を務めさせていただきましたけれども、皆様のご尽力をいただいて、内容のある充実した基本計画が策定されたことを大変感謝しております。
この基本計画を本当に内容のあるものとするには、重要な課題が幾つも残されておりますので、これからの検討にかかるところが多いわけでございます。また、これからの検討に際しても、昨年の検討においてもそうでありましたけれども、原点はこの法の基本理念にあって、犯罪被害者が個人としての尊厳を尊重され、それにふさわしい処遇を受ける権利を持っている、それがしっかりと尊重、保障できるかどうか。それから、継続的にしっかりとした個人のニーズに応じた支援ができるかどうか、そういうところをいつも振り返りながら、それにこたえる施策ができるといいというふうに思います。
いろいろ難しい問題もありますけれども、その原点に立ち返りながら歩みを進めて、2年以内に、よりしっかりとした施策ができ上がっていくとよいと期待しております。よろしくお願いします。
○井上構成員 東京大学で刑事訴訟法という分野を専攻しております井上と申します。
私は、推進会議の委員と、これまで基本計画検討会の構成員をさせていただいてまいりましたが、引き続きこの会に加えていただきます。よろしくお願いします。
○大久保構成員 社団法人被害者支援都民センターで犯罪被害者への様々な支援を行っております事務局長の大久保と申します。よろしくお願いいたします。
私自身も井上先生と同様に、推進会議の委員と、犯罪被害者等基本計画を立てるに当たりまして構成員として今まで携わってまいりました。
これから先、検討会におきましても、被害者として、そして被害者支援にかかわるものといたしまして、意見を伝える機会を与えられましたことを大変ありがたく思っております。真に被害者のためになる施策につながるよう、これからも精いっぱい努力をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○岡村構成員 全国犯罪被害者の会の代表幹事の岡村勲であります。専門委員として参加することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
○久保構成員 久保でございます。基本計画の策定段階からマスコミの関係ということで参加させていただいておりますが、我々の責務の重大さを強く痛感した次第でございます。これからもよろしくお願いいたします。
○小西構成員 武蔵野大学の小西でございます。精神医学的、心理学的な犯罪被害者の支援あるいは臨床研究というのをずっとやってまいりました。
昨年は、推進会議の委員として、それから基本計画検討会の構成員として皆様とご一緒にさせていただきまして感謝しております。
今年も施策の具体化ということに向かってご協力できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○瀬川構成員 同志社大学法学部の瀬川でございます。専攻は刑事法、特に刑事政策でございます。2000年の少年法改正と犯罪被害者保護法に関与いたしました。被害者保護につきましては、この5、6年、相当スピーディーな改革が進んでおりまして、関係各位のご努力に敬意を表しますとともに、今後もこの会議で積極的に推進されることを祈っております。よろしくお願いいたします。
○中島構成員 国立精神・神経センター精神保健研究所の室長をしております中島と申します。私は現在、犯罪被害者等の精神保健に関する研究を行っております。昨年は、基本計画検討会の構成員として参加させていただきました。
今年度は、「民間団体への援助に関する検討会」に加えていただくことになりました。昨年の成果を踏まえまして、より具体的な支援策が講じられるように努力したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○山田構成員 弁護士をいたしております山田でございます。
昨年は、推進会議委員としまして、また、検討会構成員としまして大変勉強させていただきましてありがとうございました。昨年のこの会議は、2時間の予定を5時間とか4時間とか、しかも休憩は5分だけ1回というようなことがございまして、大変熱心に、自由に議論させていただいたなとつくづく思っております。
日弁連では、数年前から、いやもっと10数年前から、もっと20数年前からこの犯罪被害者の問題には大変意を配しておりまして、昨年、その基本計画ができたことには、基本的に大変喜ばしいことととらえております。どうぞ今年もまたよろしくお願い申し上げます。
○事務局 どうもありがとうございました。基本計画推進専門委員等会議には、ただいまの有識者構成員のほか、内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省の各専門委員も構成員として出席をいたします。また、必要に応じて金融庁、経済産業省につきましても局長級の職員が協力員として出席することとなっております。
続きまして、経済的支援に関する検討会の有識者構成員に自己紹介をお願いしたいと存じます。大変恐縮ですけれども、座長であります國松様から、名簿順にお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○國松構成員 現在、財団法人の犯罪被害救援基金常務理事をいたしております國松でございます。私どもの財団法人は、殺人等の被害に遭われた方にご子弟がおられる場合に、一定額の奨学金を給付するという事業をいたしておりまして、その意味では、犯罪被害支援の一環を担って活動していると自負しているところでございます。
加えまして、私がちょうど10年前になりますけれども、警察庁長官をいたしておりますときに、「被害者対策要綱」というものをつくりまして、警察としての被害者対策を組織的に行うという活動を始めました。その後、警察の呼びかけに応じていただきまして、関係機関あるいは民間の諸団体におきまして、非常に大きな支援の輪が広がってまいりました。それが昨年の基本法の制定、基本計画の策定という形で大きく結実していることを見まして、大変うれしく存じておるところでございます。
今回、この「経済的支援に関する検討会」に参画するようにと言われましたので、私といたしまして何ができるか、大変心もとないところがございます。一生懸命努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
○飛鳥井構成員 東京都精神医学総合研究所の飛鳥井でございます。専門は精神科医でございます。現在は、山上議長の教室と共同いたしまして、PTSDを中心としました被害者の方、あるいは遺族の方々の精神的ケアに関する研究をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
○岩村構成員 東京大学の岩村と申します。大学院法学政治学研究科に所属しておりまして、社会保障法という分野を専攻しております。経済的支援に関する検討会に参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐々木構成員 弁護士で帝京大学の教授もしております佐々木知子でございます。私は、10年ほど前、法務総合研究所におりますときに、犯罪被害者のことにはかかわりを持ちまして、それから自民党の参議院議員になったときにもかかわってまいりました。
しばらく弁護士になってかかわりを持っていなかったんですけれども、このたびぜひにということですので、微力ですけれどもお役に立てることができればと、私自身も非常に関心のある分野でございますので、かかわっていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○白井構成員 静岡で弁護士をしております白井孝一と申します。よろしくお願いします。平成10年から犯罪被害者の支援に携わっておりまして、静岡では犯罪被害者支援センターの副理事長をさせていただいております。
1999年に、高校2年の人が、全く関係のない人に襲われて植物人間同様にされてしまった事件がありまして、現在でもほとんど寝たきりの状態という、そういう本当に苦しい被害者の実情を見たときに、何とか経済的に安心して暮らせる、お父さん、お母さんも安心できるような経済的保障の制度を実現したいということが私のずっと念願で、いろいろな研究もさせていただきましたし、試算などもさせていただいておりまして、このたび、たってお願いいたしまして、何としてでも今の犯罪被害者給付制度というものを新しい保障制度、被害者の方々の本当の需要に合った新しい保障制度に変えていただきたいということが念願でございまして、ぜひとも皆様のお力をお借りして、いいものを実現させていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○高橋構成員 地下鉄サリン事件被害者の会の代表世話人をしております高橋シズヱです。事件が起きてから11年たっているわけですけれども、その間、ずっと経済的被害回復ばかりではなく、もろもろの被害回復のために活動してまいりました。
今回、このような場で発言の機会をいただくことになりまして、感謝しております。ありがとうございます。有識者とか専門家という言葉とはほど遠い私ですが、とりあえず遺族として勉強させていただきながら参加したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○平井構成員 オムロンの特別顧問をしております平井でございます。私も京都の犯罪被害者支援センターの副理事長を務めさせていただいております。また、ちょうど10年前に海外で長男を殺害されるという事故に遭いまして、そういう意味で犯罪被害者でもございます。
何分にも経験とか、あるいは専門的知識という点については甚だ心配なのでございますが、この経済的支援を検討する会で精いっぱい貢献できるように努力してまいりたいと、こう思っております。どうぞよろしくお願いします。
○事務局 どうもありがとうございました。このほか、専門委員として既に自己紹介をしていただきました大久保恵美子氏、瀬川晃氏にもこの検討会の構成員としてご参加をいただくこととなっております。また、「経済的支援に関する検討会」には、有識者構成員のほかに内閣府、金融庁、警察庁、法務省、厚生労働省、経済産業省のそれぞれ局長級の職員の方に構成員となっていただいております。
続きまして、支援のための連携に関する検討会の有識者構成員に自己紹介をお願いしたいと存じます。座長であります長井様から、名簿順にお願いを申し上げます。
○長井構成員 私、常磐大学で教鞭をとっております長井と申します。よろしくお願いいたします。カウンセリング心理学、被害者学を専門にしております。
被害者支援の現場で被害者の方々がどういう現実に直面され、どういう経験をなさるのかについては十分学んでまいりました。
支援のための連携という非常に実現が難しい仕事をするように仰せつかりました。犯罪被害者等にかかわる人たちが責任をもって、また、誠実に対応していることを犯罪被害者地震が肌で感じられるほどの人道主義的な対応と支援を途切れなく継続的に行う。そういうことが、傍観者あるいは周囲の人々の沈黙と無関心によって一層深く傷つき、また、生きる意欲さえ台無しにされてしまう犯罪被害者等が、日本社会全体への信頼を回復するのに不可欠な要素の一つであると思います。
あるべき共生社会の実現に向けて、私の果たすべき仕事は務めてまいりたいと思いますので、ぜひとも皆様のお力をおかしくださいますようお願い申し上げます。
○奥村構成員 同志社大学の奥村と申します。専門は刑法と被害者学でございまして、京都犯罪被害者支援センターの副理事長も務めております。法的観点から被害者支援のあり方を考えております。どうかよろしくお願いいたします。
○本村構成員 全国犯罪被害者の会の本村洋と申します。本日、こういう場に、私のようなまだ30になったばかりで、私のお父さんとかおじいさんぐらいの方ばかりいる中で発言させてもらうのは、非常に私自身、自信もないところがあるんですけれども、逆に若さを生かして精いっぱいやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
また、私自身、まだ裁判をやっておりますし、まだまだ30、人間として未熟なところがございますので、今回、こういった方々とお会いする機会はめったにないと思っておりますので、自分自身、人間として成長できるようにという観点で皆様と接していきたいと思っておりますので、2年間という期間を言われておりますけれども、この期間、私の人生で大事な時間にしたいと思っておりますので、どうか皆様、ご支援、ご協力の方、よろしくお願いいたします。
○事務局 どうもありがとうございました。既に自己紹介をしていただきました小西聖子氏、山上晧氏にも、この検討会の有識者構成員としてご参加をいただくこととなっております。また、本日、ご欠席されておりますけれども、高井康行氏にも有識者構成員としてご参加いただくこととなっております。高井氏は弁護士でございまして、日弁連の犯罪被害者支援委員会の委員長をされております。また、社団法人被害者支援都民センターの理事も務めていらっしゃる方でございます。支援のための連携に関する検討会には、有識者構成員のほか、内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省のそれぞれ課長級の職員の方に構成員として出席いただくこととなっております。
次に、民間団体への援助に関する検討会の有識者構成員に自己紹介をお願いいたします。座長であります冨田様から、名簿順にお願いを申し上げます。
○冨田構成員 常磐大学大学院被害者学研究科の冨田と申します。研究といたしましては、被害者支援、とりわけ民間機関による犯罪被害者支援を中心に研究をしております。
また、その研究の成果も生かしながら、社団法人茨城被害者支援センターの理事長を務めておりまして、被害者支援の第一線で活動を行っております。また、山上先生が会長をなさっておられる全国被害者支援ネットワークの副会長として山上先生のお手伝いをしております。
できる限り自分の持っている知識、経験等を生かして、この検討会のために貢献したいと考えております。よろしくお願いいたします。
○林構成員 全国犯罪被害者の会で幹事をしております林と申します。私は、無名事件でありまして、なおかつ遺族でない被害者家族のものでございます。
基本法というものが一昨年できましたが、この基本法というものが、全世界から注目を集めているということをお聞きしております。基本計画も私たち犯罪被害者に対してすごい希望の光を与えてくれていると思います。
この中に検討会構成員となりましたけれども、この中ででき上がるものが、後々の被害者にとって非常に温かくてすばらしいものに皆様にしていただくことを強く願うとともに、また、この基本計画そのものが世界の規範となるようなものにしていただけたらありがたいかなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○番構成員 弁護士の番敦子と申します。よろしくお願いいたします。第二東京弁護士会に所属しております。日弁連の犯罪被害者支援委員会の副委員長兼事務局長をしておりまして、この3年間ぐらい被害者問題に明け暮れております。業務も女性被害者事件をかなり多く持っておりまして、日夜被害者と一緒にいるというような状況です。
日弁連の犯罪被害者支援委員会としましては、支援弁護士を増やして、1人でも多くの被害者の皆さんに法的支援をしたいと、今、若手の弁護士が中心となって活動をしております。この基本計画が具体的な施策となる過程で少しでもお役に立てればと思い、今後、務めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○事務局 どうもありがとうございました。先ほど専門委員として自己紹介をされました中島聡美氏にも、有識者の構成員としてこの検討会にご参加いただくこととなっております。また、この検討会には、有識者構成員のほかに内閣府、警察庁、総務省、法務省、厚生労働省の課長級の方に構成員として出席いただくこととなっております。
それでは、これから議事に入りたいと思いますので、ここで司会を交代したいと思います。本日は、専門委員等会議と検討会の合同会議でありますので、以後の司会を専門委員等会議の議長でございます山上様にお願いをいたします。
○山上議長 それでは、司会を務めさせていただきます。
次第の4、基本計画の策定等について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、私の方から、基本計画の策定等についてということで、基本法の概要と基本計画の概要、それから各検討会において、今後、検討していただきます事項につきまして、ごく簡単でありますけれどもご説明をさせていただきます。
まず、犯罪被害者等基本法の概要についてご説明を申し上げます。資料2をごらんをいただきたいと存じます。
犯罪被害者等の基本法は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るために平成16年12月に制定をされ、昨年4月に施行されました。
基本法におきましては、国及び地方公共団体が犯罪被害者等のための施策を策定、実施していく上での基本理念といたしまして、被害者の個人としての尊厳、それから個別の状況に応じた施策の実施、平穏な生活を営めるようになるまでの途切れのない支援の3つが掲げられております。また、国や地方公共団体、それから国民の責務というものが定められました。
それから、政府が犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、犯罪被害者等基本計画を策定することが規定されております。
さらに官房長官を会長とし、関係閣僚と有識者からなります犯罪被害者等施策推進会議が設置され、重要事項の審議、犯罪被害者等のための施策の実施状況の検証、評価、監視を行うこととなっております。
次に、基本計画の策定及びその概要につきまして、これもごく簡単にご説明を申し上げたいと存じます。資料3-1と3-2をごらんいただきたいと存じます。
基本法に基づきまして基本計画を策定するに当たり、延べ68に上ります犯罪被害者団体等から寄せられました1,066のご意見、ご要望の一つ一つにつきまして、有識者と関係省庁の局長級の職員からなります犯罪被害者等基本計画検討会におきまして検討が重ねられ、昨年の12月27日に閣議決定を見たところであります。
基本計画におきましては、法律に定められました基本理念を受けまして、基本方針として、被害者の尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること、それから被害者個々の事情に応じて適切な支援が行われること、その支援が途切れることなく行われること、それから国民の総意を形成しながら施策が展開されること、この4点を基本方針として掲げております。
それから、損害回復、経済的支援等への取組、精神的・身体的被害の回復・防止への取組、刑事手続への関与拡充への取組、支援等のための体制整備への取組、国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組と、この5つを重点課題に掲げまして、この5つの重点課題について合わせまして258の施策が盛り込まれたところであります。
このうちの約80%につきましては直ちに政府において実施をするということになっておりまして、残りの約20%については、検討の方向性と、それから期限を示した上で以後の検討に委ねられているものでございます。そのうち3つの施策につきましては、省庁の枠を越えた検討が特に必要であるということで、推進会議のもとに有識者と関係府省庁からなります検討会を開催するということになっておりまして、本日、その第1回を開催した次第でございます。
それでは、3つの検討会において検討することとされております事項について、概略をご説明申し上げます。資料4-1をごらんいただきたいと存じます。
「経済的支援に関する検討会」の検討事項については、基本計画におきまして、犯罪被害者等に対する経済的支援制度を現状よりも手厚いものとする必要があることを前提といたしまして、社会保障、福祉制度全体の中における犯罪被害者等に対する経済的支援制度のあるべき姿、あるいはその財源を検討することとされております。
さらに、この検討会におきましては、加害者の損害賠償債務を国が立替払いをして、国が加害者に対し、求償等を行う制度の是非について、また、印紙代や記録のコピーの費用、あるいは弁護士費用など損害賠償費用の補償などを国が行うことの是非について、それから被害直後及びその後、中期的に被害者の方が、あるいは家族が生活を可能とするような居住場所の確保について、それから別途検討がなされますけれども、被害者について一定の訴訟参加が認められた場合等におきまして、その犯罪被害者等に対して公的弁護人制度を導入することの是非についてなどにつきましても、あわせて検討するということになっております。
次に、2つ目の検討会であります「支援のための連携に関する検討会」の検討事項についてご説明を申し上げます。資料4-2でございます。
この検討会は、犯罪被害者等支援に係る機関・団体等の連携協力をさらに促進をし、犯罪被害者等がどの機関・団体を起点としても必要な情報の提供・支援等が途切れることなく受けられるような体制づくりの検討を行うということになっております。
この支援のための連携に関する検討会におきましては、さらに様々な機関・団体の橋渡しを行いますいわゆるコーディネーター、あるいは犯罪被害者等に対し専門的に対応するチームの育成をどうするのかといったこと、それから民間団体において支援活動を行う者の、人材育成のための研修あるいは身分保証など、そういう支援活動を助長する仕組みのあり方についてもあわせて検討を行うこととされております。
3つ目の検討会であります「民間団体への援助に関する検討会」についてご説明申し上げます。資料4-3でございます。
この検討会は、犯罪被害者等の援助を行います民間の団体に対しまして、国による財政的な援助を現状よりも手厚いものとする必要があるということを前提といたしまして、被援助団体となるべき対象、援助されるべき事務の範囲あるいは援助の経路、財源等の総合的なあり方を検討することとされております。
基本計画において、3つの検討会の検討事項とされているものは、以上、説明したとおりでございます。
なお、お手元の資料4-1、2、3にそれぞれ参考資料といたしまして、ちょっと長くなっておりますけれども、それぞれの検討会における検討事項に関して、犯罪被害者等の方から寄せられましたご意見、ご要望を掲げさせていただいております。それらの意見、要望を踏まえた議論が行われることとなるものと理解をいたしております。
○山上議長 それでは次に、第4回犯罪被害者等施策推進会議における決定事項について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、犯罪被害者等施策推進会議の決定についてご説明申し上げます。
第4回の推進会議は、持ち回り方式で開催をされました。基本計画推進専門委員等会議の開催について、それから検討会の開催について、この2つにつきまして、4月10日付けで決定がなされました。主な内容は、開催をするということと、メンバー構成と、その開催要領ということでございます。お手元の資料5-1をごらんいただきたいと存じます。
まず、基本計画推進専門委員等会議の開催についてということでご説明を申し上げます。いわゆる開催要領みたいなものでございます。
第1項は、専門委員等会議の開催目的でありますけれども、推進会議の行います基本計画の効果的な推進と施策の実施状況の検証・評価・監視の補佐をするために、この専門委員等会議が開催されることをうたったものでございます。
第2項は、専門委員等会議と3つの検討会との関係について述べたものであります。専門委員等会議は、各検討会に検討の経過や結果について報告を求めることができると。その報告を受けて、検討会相互の連携あるいは議論の整合性を確保するために必要な調整を行うことができるとするものであります。
第3項は、議長に関するものであります。会長であります官房長官より、議長は山上構成員にお引き受けいただきたいという指名がございました。
それから、第4項でありますけれども、議長代理に関するものであります。後ほど山上議長より議長代理をご指名いただきたいと考えております。
第5項は、定足数の関係であります。また、第6項は、構成員以外の出席に関する規定でございます。
第7項は、専門委員等会議は、犯罪被害者等施策担当大臣が招集をするということを定めたものであります。
第8項から第10項につきましては、それぞれ会議の透明性を確保するために、会議直後の議事の公表、議事の要旨、議事録についての基本的な規定でありまして、その具体的なやり方について後ほどご議論賜りたいと考えております。
それから、第11項、12項につきましては省略をさせていただきます。
続きまして、推進会議決定の2つ目でありますが、検討会の開催についての概要についてご説明申し上げます。お手元の資料5-2をごらんいただきたいと存じます。
1項、2項については省略をさせていただきます。
第3項は、座長に関する規定でありまして、経済的支援に関する検討会については國松構成員、支援のための連携に関する検討会については長井構成員、民間団体への援助に関する検討会については冨田構成員にそれぞれ座長をお願いする旨、会長より指名がございました。
第4項は、座長代理に関する事項であります。これにつきましては、後ほど各検討会の座長よりご指名いただきたいと考えております。
第5項は、定足数であります。
第6項から8項まで、それぞれ会議直後の議事の公表、議事要旨、議事録についての規定でありまして、これにつきましても、その具体的な方法について後ほどご議論いただきたいと考えております。
9項、10項につきましては省略をいたします。
○山上議長 ただいま議長代理について、議長が指名することについて説明がありました。議長代理は、瀬川構成員にお願いいたしたいと思います。
また、各検討会の座長に、それぞれ座長代理をご指名いただきたいと思います。
経済的支援に関する検討会の座長代理を、國松座長にご指名いただきたいと思います。
○國松構成員 瀬川構成員にお願いいたしたいと思います。
○山上議長 では、支援のための連携に関する検討会の座長代理を、長井座長にご指名いただきたいと思います。
○長井構成員 では、小西構成員にお願いいたします。
○山上議長 では、民間団体への援助に関する検討会の座長代理を、冨田座長にご指名いただきたいと思います。
○冨田構成員 中島構成員にお願いしたいと思います。
○山上議長 それでは、ただいま指名された方々に座長代理をお願いいたします。
次に、議事の公開のあり方について検討したいと思います。事務局案の説明をお願いします。
○事務局 議事の公開につきましては、先ほど述べました推進会議決定にあるとおりでございますけれども、その具体的な方法についての事務局案についてご説明をしたいと存じます。資料6をごらんいただきたいと存じます。
専門委員等会議につきましては、この資料の一番左側にあります、昨年開催しました基本計画検討会における議事の公表とほぼ同様に、会議終了後、直後に事務局から記者ブリーフを行うこと、それからおおむね2週間以内に議事要旨を作成・公表すること、それから議事録につきましては、その公表は、検討会にかかわるもの、検討会の検討状況等につきましては検討会が報告書を出した後に公表することといたしまして、それ以外のことにつきましては、議事要旨公表後、なるべく速やかに議事録を公表するということでどうかと考えております。
次に、検討会の議事の公表についてでありますけれども、これは資料の一番右側の欄に掲げておりますけれども、議事要旨と議事録の扱いにつきましては、専門委員等会議と同様といたしますけれども、会議直後の対応につきましては、毎回の記者ブリーフについては行わずに、事務局が簡単な概要を作成して、2、3日のうちにホームページに公開することとしてはどうかと考えております。
この資料6につきましては、構成員の皆様に事前に資料を送付させていただいたところであります。どうかよろしくご議論賜りたいと存じます。
○山上議長 議事の公開のあり方について事務局から提案がありましたが、ご意見、ご質問のある方はご発言ください。
○白井構成員 もし経済的支援の話をするときに、うっかり具体的なケースの例を名前を挙げて発言してしまうような場合もあるんですが、そういう場合は、発言者の名前は顕名になるのはもちろんですが、発言の中に出てくる名前はすべて非顕名にしていただくということはいいわけですよね。
○事務局 この資料の注の方に多分書いてあると思うんですけれども、そういういわゆる個々のケースの個人名とか、そういうものにつきましては伏せるということになると思います。
○高橋構成員 この2番目のところの下に、各構成員のチェックの上で公表とあるんですけれども、各構成員には、いつの段階でその発言要旨が来るのでしょうか。
○事務局 これは事務局で原案を作成いたしまして、できるだけ早く構成員の方にメール等で差し上げまして、必要な修正をしていただく、チェックをしていただくということを考えております。
○山上議長 ほかによろしいでしょうか。それでは、資料6の事務局案のとおりとしてよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、議事の公開のあり方については、事務局からの提案のとおりといたします。
次に、今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いします。
○事務局 専門委員等会議及び3つの検討会の今後のスケジュールについての事務局の案をご説明申し上げます。お手元の資料7をごらんいただきたいと存じます。
その一番上のところですけれども、本日、第1回会合として専門委員等会議と3つの検討会を合同会議の形で開催をいたしました。当然のことながら、次回以降はそれぞれの会議ごとに開催をいたしていただきます。
まず、3つの検討会の関係でありますけれども、大体6月ごろまでに1回から2回の会合を開いていただきまして、論点整理を行っていただきます。
その後、検討に当たって事前に把握しておくべき事柄についてヒアリングを実施することとして、ヒアリングは大体夏ごろまででそれぞれの検討会で行っていただければと思っております。また、諸外国の被害者の支援制度とか体制につきましては、これは3つのどの検討会でもヒアリングの必要がありますので、できれば6月の末ごろに合同でヒアリングを開催したいというふうに考えております。
このヒアリングが大体夏ごろまでに終わりましたならば、検討会(1)につきましては1か月に1回程度、(2)と(3)につきましては2か月に1回程度のそれぞれのペースで検討を行っていただくことになろうかと思います。
3つの検討会において検討が行われました後に、相互にちょっと連携が必要ではないかとか、あるいは整合性を確保するために合同会議が必要ではないかということがもしございますれば、必要に応じて、来年の春ごろに3つの検討会の合同の検討会を行うことも考えております。
中間とりまとめを平成19年の夏ごろまでに行いまして、専門委員等会議に報告をしました後、いわゆるパブコメをかけまして、国民から広く意見を募集したいと考えております。その意見募集の結果を踏まえまして引き続きご検討いただき、平成19年の12月までには、遅くとも最終とりまとめをいたしたいというふうに考えております。
一方、専門委員等会議についてでありますけれども、一番左のところになりますが、3つの検討会に対して適宜検討状況の報告を求め、必要な調整を行っていただきますとともに、中間とりまとめでありますとか、あるいは最終とりまとめなど、検討の節目節目にそれぞれの検討会から報告を受けて、推進会議に報告をしていただくということになろうかと思っております。
次に、資料8をごらんいただきたいんですけれども、今日は第1回目ですけれども、第2回目の検討会の予定についてご説明を申し上げます。
まず、「経済的支援に関する検討会」についてでありますけれども、5月17日に第2回を予定しております。第2回の会合におきましては論点整理ということで、犯罪被害給付制度など経済的支援に関する現行の制度がどうなっているかということにつきまして担当省庁から説明をいただきまして、被害者の要望と、それから現行制度についての理解を深めまして論点を整理してはいかがかと考えております。また、この検討会では整理すべき論点が結構多いものですから、6月の諸外国の制度のヒアリングの前に、もう一度、各省庁からそういう説明をしていただく論点整理のための会合が必要ではなかろうかと考えております。
次に、「支援のための連携に関する検討会」でありますが、6月2日に第2回会合を予定いたしております。第2回の会合におきましては、基本計画にありますように、どの関係機関・団体を起点としても必要な情報提供や支援等を途切れなく受けることのできる体制づくりに関し、基本計画の検討の際に提示されました内容がございますので、それをもとに自由討議を行っていただいて論点を整理してはどうかと考えております。また、関連調査の実施が必要でありますので、その全体像の説明も行いたいと考えております。ただ、どういうやり方を具体的にするかにつきましては、今後、座長ともご相談させていただきまして、詳しいことは追ってご連絡させていただければと考えております。
最後に、「民間団体への援助に関する検討会」についてでありますが、5月25日に第2回を予定いたしております。第2回の会合におきましては、ヒアリング等を実施する前提といたしまして、問題の所在、今後の議論の大まかな方向性等について構成員間での自由討議を行ってはどうかと考えておりますけれども、具体的にどういうやり方をするかにつきましては、これも座長とご相談の上、追ってご連絡をさせていただければと考えております。
○山上議長 では、次第の7で自由討議とされております。ご自由に発言をいただきたいと思いますけれども、はじめに、3つの検討会の座長の方々から、検討に当たっての抱負などについてご発言いただけたらと思います。
國松構成員、どうぞお願いします。
○國松構成員 「経済的支援に関する検討会」ということで、既に検討すべき事項につきましては先ほどご説明のあったところでございますけれども、恐らく議論の中心になるのは、犯罪被害者等に対する新たな経済的支援制度の検討ということになるんだろうと思います。その前にいろいろな制度設計の理念とか、それからちょっとやっかいな話ですが、既存の制度等の整備というような問題があると思います。
やってみないとわからないところはあるんだろうと思いますけれども、この検討会、かなり困難な、今後、何か具体的な施策に到着するまでには、かなり難しい問題をクリアしていかなければならないだろうという予測は持っております。犯罪被害者等に対する経済的支援を今以上に手厚く行っていかなければならないということにつきましては、関係の皆さんはもとより、国民的なコンセンサスというものもある程度できつつある、それは基本法の制定の一つの効果であろうと思っております。
総論部分で経済的支援を手厚くするということについて、反対するという方は恐らくまずおられないと思いますが、話がだんだん各論に行けばいくほど、どういう支援をどういう範囲で、どのレベルでやっていくんだというようなことになりますと、総論賛成だけれども、具体的な話になると、反対までは皆さんなさらないだろうけれども、むにゃむにゃむにゃという感じが大分出てくるんだろうと思っております。そこをクリアしないと、具体的な新しい制度のシステム設計といいますか、そういうものができないのだろうと思います。
したがいまして、これはかなり困難な議論があるのだろうなと思いますが、そこは構成員の皆さんのご協力を得て、いろいろとやってまいりたいと思います。
はじめからこういうことを言うのもあれかもしれませんが、各関係省庁から構成員としてご参加いただいている皆さんがおられるわけであります。そういう方々には、もちろんそれぞれの省庁のお立場というものがありますから、会の席上で代弁なさる、これは当然のことでありますが、ひとつ積極的にご参加をいただく、積極的な姿勢でご参加をいただきたいと思います。
私も役人をやっておりましたので、大体見当はつくのでありますが、役所というのは、自分1人の役所で、ばあっと行くときには相当力を出す、ときにはやらんでもいいことまでやるというところがあるわけでありますが、幾つかの省庁が絡んでまいりますと、お互いに遠慮し合って、あるいは牽制し合って、どちらかというと立場の相違の方が顕在化する。その結果、なかなか進まない、あるいは何となく総合的な案が出てくるにいたしましても、いろいろな各省庁の案をホチキスでとめたようなことになります。そうしますと、結局、犯罪被害者支援のために何をやる、特に財政的支援をどうするかということが非常にあいまいになるということになりまして、かえって犯罪被害者の皆さんの期待を裏切るというようなことにもなりかねません。このシステム設計ということになれば、各関係省庁のご尽力というのは不可欠でありますので、どうか積極的な姿勢でご参加をいただきたいということを、座長としてぜひ要望しておきたいと思います。石橋をたたくのは結構でございます。大いにたたいていただく。しかし、石橋をたたくのは渡るためにたたくのでありまして、渡る気がないのにたたいてばっかりというようなご議論だけは、なるべく慎んでいただきたいというように思います。
いずれにいたしましても、座長としてはコーディネーターに徹しまして、何らかの有意義な、具体的な結論にいたしたいと思っておりますので、関係構成員の皆様方のご協力をぜひお願いをいたしたいと思います。
○山上議長 どうもありがとうございました。では、長井先生、お願いいたします。
○長井構成員 検討のための会の(2)の部分では、大臣のご発言にもございましたけれども、横の連携というのが極めて重要ながら、短期的に実現することはどなたがなさっても恐らく非常に難しいのではないかと予想いたします。施策推進室長が職場に来られて以来、社会的責任の重さを感じております。私といたしましては、初めて国全体で行うシステムですので、その職に当たられる方々の日々のご苦労等も理解させていただいた上で、無理のない形で、しかしながら、犯罪被害者等の利益のためにご尽力いただけるように努力したいというふうに考えております。
なるべく全国的に均質の支援サービスが提供できるようにというシステムづくりは大切ですけれども、時間をかけながら、しかもまた定期的に、現実を見ながら、改善すべきところをずっと改善し続けるということに携われればというふうに思う次第でございます。
○山上議長 冨田座長、お願いいたします。
○冨田構成員 民間団体への援助に関する検討会の座長を務めさせていただくことになりました。責任の大きさに本当に身の引き締まる思いでございます。
この検討会で検討すべき事柄につきましては、犯罪被害者等基本計画で明確に決まっておりますし、それからまた、先ほどの資料4-3の方でも示されていますようにかなり明確ですし、項目もそれほど多くはありません。ところが、なかなか結論を出すのは難しいと考えております。
といいますのは、民間団体と申しましてもかなり多様でありますし、また、そこで行われている活動も多様であります。また、本来、公的機関が果たすべき役割と民間機関が果たすべき役割も実は明確になってはいないというようなことで、検討すべき項目としては少ないんですが、結論を出すのはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。
私も先ほど民間団体による被害者支援を研究しているというふうに申しました。ある程度は勉強してまいりましたけれども、この検討会では、なるべく私の考えは出さずにというのはおかしいですけれども、よりも構成員の皆さん方の意見でありますとか、あるいはヒアリングも行いますし、パブリックコメントも行われますので、そのような様々な意見をできる限り吸収して、誰もが納得できるような、効果的で適切な民間団体に対する財政的な支援のあり方ということを考えたいというふうに思っております。
中島先生が座長代理になってくださるということなので、実は本当は逆の方がいいとは思っているんですけれども、座長代理をはじめとして心強い構成員の先生方がおられますので、助けをかりながら議事を進めてまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
○山上議長 ありがとうございました。他の構成員の方々からも、どうぞご発言ください。
○白井構成員 前の検討会のときのように、会に先立ちまして事前に意見書などを提出するというようなこと、そういうこともよろしいでしょうか。
○事務局 前回の基本計画の検討会のときには、その検討会ごとにある程度物事を決めて行ったものですから、そういう形で事前のご意見をいただいたりもしたわけですけれども、今回の検討会は、本当にある程度期間をかけて結論を出すような検討会でございますので、そういう場合もあろうかと思いますけれども、基本的にはある程度お示しをして、それで検討会でご検討いただくという形になろうかと考えております。前の検討会みたいに事前にかなりのやりとりがあるということは、基本的には想定しておりません。
○白井構成員 資料だとか、そういうものをお配りさせていただくというようなことは。
○事務局 それは十分可能であります。
○山田構成員 ちょっとご質問なんですけれども、この専門委員等会議の守備範囲なんですけれども、1つはこの3つの検討会で検討いただくことについてのことですね。それからもう一つは、この3つの検討以外、その余の258、いわゆる3つの検討会でやっていただく以外のことについても守備範囲であるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○事務局 そのとおりでございまして、3つの検討会、一応それぞれ独立しておりますけれども、相互にやっぱり関係するところもありますので、その連携と調整を図ろうという責務と、もう一つは、それ以外の258に及ぶ施策がございますので、これについて推進会議において検証・評価・監視がなされるわけですけれども、それのお手伝いを、推進会議というのは閣僚の方も入っておられる、官房長官がヘッドですので大変重い組織ですので、その補佐をするということを責務としております。
○山田構成員 そういたしますと、資料7のスケジュール表を見ますと、この専門委員等会議は、本年におきましては秋から冬にかけてでしょうか、一度行われるそうであると。それから、来年は夏前に行われそうであるということで、かつこのスケジュール表に限れば、この検討会(1)、(2)、(3)についてのことのみをやるかのごとく示されているのかなという感じがいたします。そのほかのことについてもやるとなれば、これは専門委員等会議の回数はどんなものでしょうかと思うんですね。
例えば各省庁におかれましていろいろ検討していただいて、具体的な施策が出てまいりますね。それで、それについてほとんど情報がなく進められていくということがあり得るのか、犯罪被害者の方々の立場からすれば、ここのところはもう少しこうしていただきたかったのになと、ただ、もう政令ができちゃったとか規則ができちゃったということになると、後の祭りですよというふうなことも起こり得るのか。それはせっかくの専門委員等会議でございますから、ここは意見が分かれているかなと、こういうご希望が全国からあったなというようなことについては、この会議で検討なされるべきであろうかと。そうすると、この会議は少ないのではなかろうかと、そこら辺はどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○事務局 基本計画において直ちに実施するというふうになっている施策がたくさんございますので、それにつきまして、各省庁においてそれぞれもう既にできるものでかなり実現したものもございます。そういったことについて、まさに監視を当面はしていくんだろうというふうに、推進会議としては。例えば検証・評価というのは、ある程度時間がたってからということになりますけれども、監視については、おっしゃるように現段階でもやっていかなければならないというふうに考えております。これはあくまで1回しかやらないという意味では全くございませんで、まさに担当大臣が必要と認めれば招集をかけるということになっておりますので、そういうことで必要な監視をしてまいりたいということでございます。
○小西構成員 今の山田構成員のご意見はもっともというふうに思います。確かに既にどんどん実施されているというご報告をいただいたりもしておりますが、すぐに実施されたものについては、例えば1年のところでそれぞれについて何かご報告を資料とともにいただくような会は、やはり1回持っていただきたいなというふうに私も思っております。
○山上議長 昨年の検討会でも議論になっていたところでありますけれども、重要な課題で、各省庁単位で検討を進めるということになっているところもあるかと思うんですが、そういうところも、やはりそれぞれの検討会の議論の進め方とあわせてそういう状況も一緒に検討しなければならないところもあるかと思うものですから、そういう意味では、この専門委員等会議はある程度定期的に、どの程度の頻度がいいかと言われると、先ほど問題になったと思いますけれども、ある程度定期的であった方がいい。監視あるいは検証の方なんですけれども。
○大久保構成員 そのことにつきましては、私も今、ご発言いただいた構成員の皆様と全く同じでして、例えば今、法務省で被害者の刑事手続への関与拡充、そういうあたりのところも進められているかと思いますけれども、果たして話がどの程度まで進んでいるのかどうなのかという情報は全く入らないわけですね。やはり定期的に報告はしていただきたいと思います。
○井上構成員 実質的には、今、ご発言があった方々と同意見ですけれども、基本計画の事項でも、すぐ実施しているものと、2年なら2年、あるいはもう少し長いのもあったかと思いますが、そういうものとでは、いつご報告いただくべきかが違ってくるのだろうと思います。それに応じて、適宜、会を入れていただければいいと思うのですが、そうはいっても、定期的に、例えば毎月報告しろといっても、あまり意味のないことなので、どのぐらいの頻度で開くのが適切かをご検討になり、結果的に、各検討会における検討の経過報告と合わせて報告していただくということになることもあり得ると思います。
私は、そういう意味で、回数が少ないというふうな印象は必ずしも受けないけれども、むしろ、そういう中身をちゃんとつけ加えていただければいいのではないかと、そういう意見です。
○猪口大臣 今、大変貴重なご意見を伺いました。関係省庁との連携を深めて、被害者等の方々が、実際に、確実に、そして早期にこのような支援を受けられるということがそもそもの趣旨でございますので、推進状況につきまして情報交換というような観点も含めまして報告をできるように、私、担当閣僚としてこの会を招集する立場にございますので、本日のご意見は重いものとして受けとめまして、適切なタイミングでそのようにいたしたいと思います。情報を交換するということの意義は、推進の上でも非常に大きいと思いますので、また、そのような中で、お気づきの点をご指導いただければと感じております。
○山上議長 それでは、今、ご発言いただいたわけですけれども、それを踏まえて今後の検討を進めていただきたいと思います。
最後に、猪口大臣から一言お願いいただきたいと思います。
○猪口大臣 本日は、このように大変ご熱心な、本当に思いを一つに寄せるような会議にしてくださいまして、参加いただきました先生方に心から感謝申し上げます。
また、それぞれの検討の会の座長を引き受けてくださいました先生方、特別なご負担をおかけいたしますけれども、このように重要なところに来ておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
今日、広く提出されました意見の中に、やはり関係省庁の連携をしっかりととって、やはり強力な推進の姿勢を維持していくことが重要であると、國松先生ほかいただいたところでございます。まさに内閣府の特命担当大臣はそのようなために存在いたしますので、私としても精いっぱい関係省庁の連携を強化しながら、この分野の施策を推進してまいりたいと思っているところでございます。先ほどの私のあいさつでも、やはり継ぎ目のない支援ということも申し上げました。それは、いろいろな意味での継ぎ目のないということでございます。
あともう一つは、やはり国民の理解と関心、そして温かい深い思いをこの分野に寄せていただくことの努力を私として精いっぱいやってまいりたいと思いますが、力不足のところ、先生方のお力をおかりしなければなりません。どうか広く国民の思いを深めていくというところにおいて、引き続きご協力をお願いしたいというところでございます。
また、そうする中で犯罪を抑止していく、防止していくということに、このような政府の取組がつながるということを私として深く願ってもいるところでございます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○山上議長 ありがとうございました。それでは、事務局から連絡事項があればお願いいたします。
○事務局 最後に3点ほどご連絡を申し上げたいと思います。
検討会とは直接はあまり関係ないんですけれども、1つは、実は基本計画の中に、被害者の実情についての追跡調査を行うということ、それから被害者と国民との間にどういう意識のギャップがあるのかということについて、これも調査研究を行うということが書かれておりまして、その調査研究のための委員会をできるだけ早く立ち上げたいというふうに考えております。ついては、この中におられる方の何人かにもまたいろいろお世話いただくことになるかもしれませんので、よろしくお願いしたいというのが1点目でございます。
それから、2点目でありますけれども、基本法に、国会に対する犯罪被害者等施策の年次報告、いわゆる白書のことが記載がございます。現時点では、大体秋ごろに白書をつくりたいというふうに考えております。これにつきまして、関係の省庁の方々等のご協力をよろしくお願いしたいということが2点目でございます。
それから、さらにちょっと先の話で恐縮ですけれども、11月25日から12月1日までを犯罪被害者週間ということに設定がされております。12月1日に基本法が制定されたということで、政府主催のイベントなども、いつやるかもまだちょっと決めておりませんけれども、そういったことで、ここにおられる方々あるいは被害者団体の方々にもいろいろな意味でご支援、ご協力を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。本日はまことにありがとうございました。
○山上議長 それでは、これをもちまして、第1回基本計画推進専門委員会等会議及び第1回検討会合同会議を終わります。ありがとうございました。
(以上)