2.国民一般の中の「被害者像」

2-3.犯罪被害者等に対するイメージ

(1)犯罪被害者等のイメージ

問14 あなたは、重い犯罪被害を受けた犯罪被害者やその家族にどのようなイメージを持っていますか。以下のそれぞれについてお答えください。

 国民一般は犯罪被害者等をどのように捉えているのか、問14ではまず心理的状況を尋ねた。その結果、精神的な落ち込みを積極的に肯定(「あてはまる」)する者が4割強で消極的肯定(「ややあてはまる」)を含めると8割強と、ほとんどの国民一般が犯罪被害者等の心境をこのように捉えている。そのような精神的な落ち込みに続いて、「立場をわかってほしい」、「加害者に恐怖心を抱いている」とするものが積極的肯定で3割強、消極的肯定が4割おり、ほぼ7割の者が犯罪被害者等の置かれている立場への理解を認識している。

 これを平成18年度と比べると、全般的に精神的な落ち込み・不安を積極的に肯定する者が大きく減少している。このことをどのように解釈するかは難しいが、一つの解釈としてはこの2年間において犯罪被害者等がメディアなどを通して声を出すようになってきたことや犯罪被害者等支援について報道がなされるなどしてきたことから、犯罪被害者等が置かれている状況が多少は改善されつつある、あるいは兆しがあると国民一般は認識したと考えることができる。

問14 犯罪被害者等とその家族のイメージ

図2-29:問14 犯罪被害者等とその家族のイメージ

 性・年代別の≪重み付け平均値≫で比較すると、性別では肯定意見が50%以上の項目(「いま暮らしているところから離れたいと思っている」より上位の項目)では、「加害者に仕返しをしたいと思っている」を除いて、女性が男性を大きく上回っている。特に差が大きい項目は、上位の「不安」や「落ち込み」、「精神的な不安定」、「体調不良」、「外出拒否」、「自分の気持ちの理解を求める」などである。また、肯定意見は比較的低いが、「自分を責めている」では女性と男性の意見が大きく異なっている。

 年代別に見ると、性別と同様に、肯定意見のトップから50%前後項目まで、年齢が若いほど平均値が高い傾向が続いている。

問14 犯罪被害者等のイメージ 【平成20年度】

≪重み付け平均値≫

図2-30:問14 犯罪被害者等のイメージ 【平成20年度】

想起した犯罪別に≪重み付け平均値≫で比較すると、性・年代別のばらつきが大きい項目で、「性犯罪」層が「暴力犯罪」層をやや上回り、「交通犯罪」層が特に低いスコアのパターンとなっている。その背景には、「性犯罪」層には若い女性、「交通犯罪」層では高齢の男性の割合が高く、性・年代別のばらつきが大きい項目においてその相関が強く反映されたものといえる。

問14 犯罪被害者等のイメージ <想定罪種別> 【平成20年度】

≪重み付け平均値≫

図2-31:問14 犯罪被害者等のイメージ <想定罪種別> 【平成20年度】

問14 犯罪被害者等のイメージ <時系列比較>

≪重み付け平均値≫

図2-32:問14 犯罪被害者等のイメージ <時系列比較>