被害者を支援(サポート)する方が、被害者のつらい状況を目の当たりにしたり、熱心に話を聴くうちに、被害者と同じような心身の反応が起こることがあります。
これを、支援者の「代理受傷」や「二次受傷」「共感疲労」などと呼びます。被害者に対して安定したサポートを継続的に行うため、こういったことが支援者側にも起こり得ることを支援者自身が認識しておくことが大切です。
支援者は、自分はケアをする側であってケアを受ける対象ではない、と思われるかもしれません。しかし、支援者が自分をケアしたり、周囲からのケアを受けながら安定した支援を行うことができれば、被害者にとっても良い効果があると考えられます。
支援者のストレスチェックリスト
次のようなことが当てはまる場合は、代理受傷が生じている可能性があります。
- 被害者の話に心が揺れて、話が聴けなくなる
- 被害者の話が頭の中から離れない
- 些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりする
- 自分は被害者の役に立っていないと感じる
- 寝付けない、眠りが浅いなど、適度な睡眠が取れていない
- 頭痛、胃痛、肩こりなど、身体に痛みがある
- その他、被害者のトラウマ反応と似たような反応が起こる
予防・対応策
支援者のストレスへの予防・対応策としては、次のようなことが有効であると言われています。
- 1人で抱え込まない。チームで対応している感覚を大切にする。家族や友人、知人からのサポートを受ける
- 被害者の心理や支援に関する研修に積極的に参加して、支援者のトラウマについての知識や実際の対応方法を身につける
- 支援に関わる人が集まって、被害者の状況の確認や支援内容の検討を行う機会を持つ
- リーダーや上司、スーパーバイザーのもとで、これまでの支援の過程を振り返り、今後のより良い支援について検討する機会を持つ
- 趣味やレジャーなど私生活を充実させ、支援のことから頭を切り離す時間を持つ
- その他、自分なりのストレス対処法を持つ
こういった対応策を取っても、ストレス反応が長く続く場合には、支援者も専門家による治療やケアを受けるようにしましょう。