犯罪被害を受けた後は、トラウマ反応により、心や体に変調を来すことが多いのですが、これは異常なことではなく、突然、大きなショックを受けた後では誰にでも起こり得ることです。変調の現れ方は、ひとりひとりの被害者によって様々であり、また同じ人であっても時間の経過や環境により変化することがあります。
被害後にあなたの心身に何が起きているのかを知ることは、回復への大切な第一歩となります。
このような心身の変調はありませんか?
○ 心理面への影響例
- つらい記憶が頭から離れない
- 感覚・感情が麻痺したり、現実感覚がなくなる
- 自分が自分でないと感じる
- 記憶力、判断力の低下
- 自己評価の低下
- 他人や社会に対する信頼感の喪失
- 自分は無力と感じてしまう
- 死にたいとか、消えてしまいたいと考えてしまう
- いろいろな感情がわいてきて自分ではコントロールできない
○ 身体面への影響例
- 食欲がない、食べ過ぎる
- 吐き気がする
- 頭痛
- 下痢、便秘
- めまい
- 過呼吸
○ 日常生活や仕事・学校への影響例
- 眠れない
- 悪夢を見る、眠りが浅い
- 人ごみが怖くて外に出られず、自宅にひきこもる
- 被害を思い出す物や場所などを避ける
- 人間関係がうまくいかなくなる
- 特定の日(事件等と関連のある日等)になると不安になる
- お酒やたばこの量が増える
- 自傷行為をしてしまう
○ 日常生活における行動の変調例(お子さんの場合)
- これまでできていたことができなくなる
- 甘えが強くなる(赤ちゃんがえり)
- 勉強や遊びに集中できなくなる
- 親の後をいつもついてきて離れない
- 普段よりはしゃいでいる
- 発熱、腹痛、頭痛などの体調不良があらわれる
【被害後の生活について~ご自身をいたわる気持ちを大切に~】
〇 心身の回復
被害後のこころの回復は、段階を追って進んでいくと言われています。
まず、心身の安全が確保されることから始まります。心身の安全が実感できるようになると、自分の身に起こった出来事をふりかえり、少しずつ過去のものとして位置づけることができるようになります。その後、自分や他人への信頼感を取り戻し、つながりを再認識できるようになっていきます。そして、社会とのつながりを感じられるようになり、再び人生の希望や意欲がわいてきます。
〇 回復に役立つこと
心身の不調は、時間とともに少しずつ落ち着いていくと言われていますが、回復の道のりは人それぞれです。
次のような方法を参考にしながら無理を重ねないようにしましょう。
- 自分ひとりで頑張りすぎず、信頼できる人や相談窓口に話をしてみる
- 疲れたらゆっくり休む。なるべく、栄養と休息をとることを心がけ、無理をしない
- ゆっくり深呼吸をしてみる
- 自分がリラックスできると思うことをしてみる(好きな香りをかぐ、ストレッチをする、お風呂に入る、おいしいものを食べる、好きなものを見る、ペットとふれあうなど)
- 日常生活に支障がある場合には、精神科や心療内科を受診する
被害相談窓口のご案内
被害によって起こる様々なことに、ご自身だけで対応することは難しい場合もあります。そのようなときは、ひとりで悩みを抱えず、下記相談窓口にお問合せください。
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