開会/挨拶【内閣府】

 
内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 重田 伸生

 皆さんこんにちは。ただ今、ご紹介をいただきました内閣府犯罪被害者等施策推 進室の重田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の「犯罪被害者支援ボランティア活動推進講演会」の開会に当たりまして、主催者の一員として一言ごあいさつを申し上げます。
 犯罪被害者等施策の推進につきましては、関係の皆様のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。また、ご来場の皆様におかれましては、お忙しいところご 参集いただきましてありがとうございます。

 本日の講演会には、全国犯罪被害者の会(あすの会)副代表幹事の松村様、長野犯罪被害者支援センター 副理事長の酒井様からご講演をいただくこととしております。松村様、酒井様におかれましては、本日は、ご多忙のところ、ご協力をいただきますことに、深く感謝申し上げます。

 さて、国民の皆様が、誰もが安心して暮らせる社会の実現、これは全ての皆様が願っておられることと存じます。この社会の実現のために、防犯活動や交通安全対策など、様々な活動、施策が展開されているところです。

 皆様、まだ記憶に新しいことかと存じますが、昨年6月、東京の秋葉原において連続殺傷事件が発生しております。この事件において被害に遭われた方は、あの時刻にあの場所にいた、ただそれだけの理由だけだ ったのです。何の罪もない人がある日突然、犯罪被害に遭ってしまう。突然尊い命を奪われ、あるいは傷害 を負わされ、その家族もが心に深い傷を負ってしまいます。

 皆様方は、犯罪被害に遭った方がその後どうなってしまうだろうかということを考えたことはあるでしょ うか。犯罪行為による身体的、直接的な被害だけではありません。警察からの事情聴取、裁判に出廷するなどの重い負担も負わなくてはなりません。また会社などに勤めていた方は会社を辞めたり、就業が困難になってしまう方もおられます。住宅の問題も発生します、その上、二次的被害と呼ばれる、周りの人たちからの心無い言動による精神的な被害も発生いたします。そのような重い困難な状況が、それまで平穏に暮らしていた人たちに、何の予告もなく突然襲ってくるのです。

 安心して暮らせる社会の実現のためには、犯罪を予防するための活動にとどまらず、不幸にも犯罪の被害に遭われた方々が、再び平穏な生活を営めることができるようになるまでの間、必要な支援を途切れなく受けられるような社会づくりもまた、大変重要な課題となってまいります。

 このような犯罪被害に遭われた方々が直面している困難な状況を踏まえ、国におきましては、平成16年12月に「犯罪被害者等基本法」という法律を制定いたしました。この法律においては、犯罪被害者の権利利益を保護し、そのための施策を総合的かつ計画的に推進していくこととされています。さらにその翌年、平成17年12月にはこの基本法に基づいて、「犯罪被害者等基本計画」が策定されました。この計画では、基本法が求める施策を、実施機関を明示して、かつ実施期限を具体化して、258項目もの施策が規定されております。 これらはいずれも犯罪被害に遭われた方々、その支援に当たる方々からのご要望に基づいたものとなっております。

 この基本法の中に、「国民の責務」という条文が置かれております。国民の犯罪被害者等に対する理解と配慮について、国民の皆様も協力してくださいという規定となっております。本日のこの講演会は、この趣旨に基づき、犯罪被害者が置かれている状況を認識していただき、支援の必要性について理解が広がることを期待して実施されるものです。

 犯罪被害に遭う可能性は誰にでも常にあり、人ごとではありません。犯罪の被害に遭われた方々が、1日でも早く立ち直り、再び平穏な生活に戻るためには、周りの人たちの支えが必要不可欠です。本日のこの講 演会では、講師の松村様、酒井様から大変、有意義なご講演を頂戴できるものと思っております。皆様方には、この講演会を通じて、犯罪被害に遭った方々に対する理解を深めていただくきっかけの一つになれば幸いに存じます。

 最後になりましたが、この講演会の開催に際しまして、ご協力をいただきましたNPO法人長野被害者支援センターを始め、関係の皆様に深く御礼を申し上げまして、私からのあいさつとさせていただきます。
 

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