中央イベント:トークセッション

「被害者支援を知ろう」

中川 翔子(ゲスト)
原田 義久(警察庁教養厚生課長)

(司会) それでは、これより「被害者支援を知ろう」と題しましたトークセッションを始めさせていただきます。タレントの中川翔子さんと警察庁教養厚生課長の原田さんです。

 本日はこのお二人と一緒に被害者支援についてお話ししていきたいと思います。まず、お二人から自己紹介をいただければと思います。では、中川さんからお願いいたします。

(中川) 中川翔子と申します。本日はこの被害者支援について学ぶことができるすばらしい機会にお招きいただき、ありがとうございます。今日という日に向けて、本当にたくさんの場所にポスターも貼っていただいたということで、今日をきっかけに被害者の方、そして被害者になるというのは誰にでも起こり得るかもしれないことであり、他人事ではなく、知ることで何かを学ぶこと、得ることができたらと思います。今後の人生にも重要な日になりそうだなと思っています。本日はよろしくお願いいたします。

(司会) はい、ありがとうございます。それでは、続いて警察庁の原田さん、お願いいたします。

(原田) 警察庁の原田と申します。よろしくお願いいたします。私は警察庁に属しておりますが、警察の話だけでなく政府全体の被害者支援について取りまとめを担当しております。本日はよろしくお願いいたします。

(司会) それでは、改めまして、ここで本日のトークセッションのテーマを御説明いたします。本日は「被害者支援を知ろう」をテーマといたしまして、犯罪被害者の方の置かれた状況や犯罪被害者等基本法、第4次犯罪被害者等基本計画について警察庁の原田さんに分かりやすくお話しいただきながら、被害者支援の理念やその重要性についてお届けできればと思っております。

 では、まず、中川さんは被害者支援というものについて、どのようなイメージをお持ちですか。

(中川) はい、“被害者支援”という言葉があるということには、少しほっとしました。しかし、これまで私自身もストーカーだったり、誹謗中傷だったり、いろいろなことで警察に相談させていただいて、そのときにいろいろな事情を聞いてくださったり、向き合ってくださるということはあったんですけれども、具体的に被害者支援ってどこまでのことをしてくれるのか、そして、どんなことがあるのかは知らなかったので、被害者に突然なってしまって、ものすごく悩んだり、時間だったり金銭的なことだったり、本当に本当に被害者がたくさん傷を受けなければいけないのかと感じました。様々な問題に直面すると同時に、そういった支援のことがあるのならば、ぜひ知りたいなということと、そして誰にでも犯罪被害者になってしまう可能性があるということも踏まえると、ぜひ詳しく、どんなことがあるのか学びたいと思います。

 今までいろいろなことがあった中で思うのは、どうしても世の中の仕組み自体が、被害者はあまり守られず、加害者を守る、そして尊重するような流れになってしまっているような気がするので、いろいろ聞けたらいいなと思います。

(司会) ありがとうございます。原田さん、今のこと、いかがでしょうか。

(原田) “被害者支援”とお聞きになって、どういうものがあるかということはイメージしにくいというのはおっしゃるとおりかなと思います。実際の被害者支援というものは、まさに捜査活動の中に溶け込んでおるようなものもございますし、いろいろ、多岐にわたっておるものでもあります。被害者の方々に対してどういうことができるかという思いでやっておるところでもございますので、そうしたことについてお話ができればと思いますし、おいでいただいておる皆様、あるいは御視聴いただいておる皆様には、犯罪被害者支援ってどういうものだろうか、どういう問題があるのだろうかということについて御理解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

(司会) ありがとうございます。では、まず被害者支援について知る前提といたしまして、犯罪被害に遭うことで生じる問題について教えていただければと思います。中川さんもどうぞ疑問に思われたりしたことがありましたら、クロストークでお話しください。

 では、原田さん、お願いいたします。

(原田) まず、犯罪被害というものがどのくらいあるかということでございますけれども、昨年で見ますと殺人、強盗、暴行、傷害等々といったいわゆる刑法犯と言われるものが60万件以上ございました。また、こうした刑法犯以外を見ましても交通事案、事故に遭って怪我をなさったり、命を落とされたり等々といったような交通事案は30万件以上あったというところでもございます。かなり多くの件数が発生しているということがお分かりいただけるのではないかと思います。

(中川) 日本は十分平和な、安全な国だという意識もあるのですけれども、本当に被害者の方は何も悪くない、そしてやはり加害者がそういう行動をすることによって、そのときだけではなく、ずっと苦しまれる方が多いと思うんですけれども、具体的に被害に遭った場合、どんな問題に直面していくんですか。

(原田) 問題はいろいろ出てまいります。まさに犯罪そのものによって受ける被害、怪我をするですとか財産を奪われるですとかいったものもありますし、そういった犯罪被害に遭ったということで精神的なショックを受ける、心身に不調を来すといったようなこともあります。また、更に言えば、そうやっていろいろ被害を受け、ダメージを受け、心身に不調を来したりといったようなことから経済的な困窮、職を失ったりというようなこともあるし、あるいは医療費等も大変な問題になってまいりますね。

 そうしたものを離れても、今度は周りの目ですとか、あるいは報道等によるストレスといったものも出てくる、いろいろな問題が出てくるというのが実際だと思います。

(中川) やはり、加害者のことではなくて被害者のことがクローズアップされて、プライバシーがさらされたり、報道に出てしまうことが恐ろしいから相談をできなかったり、我慢したりということ、私自身も実際にそういうこともありました。なので、やはり、とにかく第一に被害者の方が守られてほしいんですけれども、今、お聞きしたところ、本当に被害は多岐に及ぶということで、でもあらゆる角度に対して、支援があり、ちゃんと話を受け入れてもらえる場所もあるということですか。

(原田) いろいろな被害が出てくる、あるいはいろいろなダメージが被害者の方に出てくるということがありますので、その苦しみ、あるいはつらさというものをどうしたら軽くできるだろうかということで、我々としてもいろいろと考えながらやっておる、どういったものが必要になるだろうか、事案に即して対応ができるようにということで取り組んでおるところでございます。

(司会) ありがとうございます。それでは、今、お話がありましたような様々な問題に直面する被害者をどのように支援していくのか、という点が被害者支援のメインとなるテーマです。

 続きましては、被害者支援、犯罪被害者支援の基本を示しているという犯罪被害者等基本法について原田さんに教えていただきたいと思います。

(原田) 今、犯罪被害者等基本法という法律について御紹介いただきました。これは平成16年にできた法律でございます。成立したのが12月1日、まさに今日でありまして、それを記念いたしまして、こういった犯罪被害者週間といったものを設けているところであります。

 この法律は何を示しておるかといいますと、我が国での被害者支援というものの基本を示すものになっております。まさに基本理念としては犯罪の被害に遭われた方、その個人の尊厳というものを尊重しよう、また、それにふさわしい扱いを被害に遭われた方が受けられるように権利を保障しようといったようなことを掲げておるものでもあります。

(司会) 今、コンセプトをお話しいただきましたが、中川さん、いかがですか。

(中川) そうですね、そこまで被害者一人一人の方にちゃんと向き合って、救われる道を提示してくださっているということを、被害を受けた直後の方はそのことを知らなかったり、あとパニックになってどうやってこれから生きていこうと考えたり、本当に混乱してしまうこともあるかと思います。私自身も中野署に相談させていただいたときに、すごく連携をとって迅速に動いてくださって、「あ、そこまでしてくださるんだ。」と感じました。例えば、ストーカーの件で、何度も何度もこれまで引っ越して、お金もものすごいかかります。精神的にも追い込まれます。でも、被害者はとにかく泣き寝入りなんだ、って諦めてしまっていた部分もあったんですけれども、相談した結果、監視カメラだったり、パトロールの強化だったり、できることを警察のほうから提示してくださいました。なかなか被害者から「これをやってもらえるんですか」とか、そういうことまでは聞けないので、ぜひ広く知られていってほしいですね。

(原田) どういうことができるだろうかというのは事案によって様々になるのですけれども、捜査に当たる者としては、どういうやり方があるんだろうかということをいろいろ考えつつお話をさせていただくことになりますし、また遠慮なくお尋ねをいただければと思います。

 そうは言いましても、被害に遭うというのは大変ショックなことでもありますし、話しにくいところとかもあるかと思いますので、私どもの方から提案させていただくこともありますし、また疑問の点等があればお話をいただければ、できるだけのことをやるということで対応させていただくことになります。

(司会) 被害者の方を中心に考えて、お一人お一人を尊重するというコンセプト、こちらを実現するためにはどんなことが必要となってくるんでしょうか、原田さん。

(原田) やはり基本理念、今申し上げたようなものでありますけれども、これは理念でありますから、実現するためには具体的に活動することが必要になります。そうすると、実際に誰がやればいいのだろうか、という問題が出てくる。どういう人がこの理念を実現するために責任を負っているのか、責務があるのか、ということを犯罪被害者等基本法では定めている、そういう作りになっております。

 中川さん、ちょっとクイズなんですけれども。

(中川) クイズ?

(原田) 今出てきましたが、基本法の中で、被害者支援について責務を負う、責任があるとされているのは次のうち誰でしょう。4つ掲げました。1番、国、2番が都道府県、3番が市区町村、4番が国民と4種類掲げておりますけれども、どれだとお思いになります?

(中川) 突然のクイズ。すごく難しいですけれども、やっぱり1番の国というのは、本当に日本に暮らす国民としては安全だったり守っていただけるというためには国の考えというのも絶対に必要ですし、広く考えると、都道府県も、そして市区町村も必要ですよねと思うんですけれども、4番に、国民というのが責務を負うということになってくると、え?どうして、となってしまいます。

(原田) なかなか、国民が、というとちょっとイメージしにくいところがおありかと思うのですが、これ、まさにみんなの問題だというところが根っこにあります。実際に、国がやる、あるいは都道府県、市区町村といって行政その他、関係機関がやるにしましても、それだけでは足りない。実際の被害者の方々が個人として尊重されるように、あるいはその尊厳を守られるようにやっていこうとしますと、国民の方々の理解と協力は欠かせないものであると思います。まさに、皆さんに御理解をいただいて、被害者の方の生活の平穏ですとか、あるいは名誉ですとかいったものをちゃんと守ろうですとか、あるいは国や都道府県、市区町村といった関係機関等がやっておる施策について協力しようじゃないか、というようなお考えを持っていただけますと、実際の被害者の方々を支援するというものがより実際に力を持ったものになってくる、というふうに思っております。

(中川) “責務”という言葉でちょっとびっくりもしたんですけれども、一人一人がちゃんと知ること、そしてみんなで助け合うこと、そして周りの大切な方が被害に遭ったときに、すぐに動けるためには皆さんがそれを知っておくこと、とても大事なことですね。

(原田) おっしゃるとおりです。まさに皆さん方に被害者支援というものがなぜ必要なのだろうか、あるいはどういうことをやっていけばいいのだろうかといったことについて御理解いただければと思っております。

(司会) となると、正解は?

(原田) 1から4まで全部ということになります。

(中川) 斬新なクイズですね。そんなのがあるんだ。

(原田) これ、ちょっと引っかけみたいなクイズなんですけれども、やはりみんなの問題としていろいろな行政機関がやるだけでなくて、みんなの問題としてお考えをいただきたい、また理解をしていただきたいというものも入っておるわけでございます。

(司会) ありがとうございました。ここまで犯罪被害者等基本法という、被害者支援の基本理念を示した法律についてお話しいただきました。熱心に御質問等されていましたが、中川さん、ここまででいかがですか。

(中川) はい、想像以上に国だったり市区町村が、全ての広い範囲において、被害者の方を守るという意識で作られているんだなということを、知ることができたきっかけになっていますし、それまではまさか自分にそんなことが突然降りかかるなんて誰も思っていない中で、本当に突然そういうことが起こってしまうかもしれないと思うと、やはりこういったイベントに参加させていただき、そして知る、皆さんも今日帰ってからこれからの人生で、いろいろな方に「こういうことがあるんだよ」と広げていくこと、このようなことが、本当に大事なことなんだなと感じています。

(原田) 大変御理解をいただけているようでありがたいことであります。先ほど4つ挙げましたけれども、国等がやっておる施策あるいは国民の皆様の御理解、御協力といったものを得つつ、これらと連携・協力する形で民間の団体の方々にも非常に多くの活動をしていただいておる。そうやって国全体あるいは社会全体、国民全体の問題として御理解いただけるようにということで頑張っておるところでもあります。

(司会) はい、ありがとうございます。では、続きまして、もう少し具体的な被害者支援についても教えていただければと思います。

 これまで何度かお話もありましたけれども、第4次犯罪被害者等基本計画とそれに基づく具体的な支援についてです。計画については5年ぶりに改定されたということで、新しい取組も出ているかと思います。それでは、まずは原田さん、よろしくお願いいたします。

(原田) 先ほどの法律でどういう理念を持っておって、誰がやるのかという話をさせていただきましたが、では具体的に何をやるのかということについては、基本計画というものを立てようということになっております。

 この基本計画といいますのは、今、第4次犯罪被害者等基本計画というものになっておりますが、この4月に作ったものであります。どのような被害者支援をやっていくか、その指針あるいは道しるべとなるべきものとして作っており、具体的な支援はどのようなものがあるかといったメニューにもなっておる、そういうものであります。

(司会) たくさんの取組があるようですね。

(原田) これ、重複も若干あるのですが、全部で279の施策を掲げております。

(中川)  279、そんなにもたくさんの取組が、それはちょっと驚きですね。

(原田) どういうものが必要だろうかということでこれまでも考え、発展させてきた結果として、こういった数に上っております。

(中川) 279あるということですけれども、やっぱり事例によってどういった被害で、どういった支援があるのかというのは違うと思うんですけれども、私自身、これまでいろいろ被害に遭ってきた中でも、何が該当するのか、具体的にちょっと分からなかったりするんですけれども、どのようなことをするのでしょうか、支援というのは。

(原田) いろいろなものがあるわけでございますけれども、実際にケースで御説明するのが早いかと思います。事例を交えて御説明しようと思います。

 1つ目のケースですが、これは人が亡くなったという事案であります。3人暮らしの御家庭で、生計を維持する方が御自宅で犯罪被害に遭って亡くなったというような場合を考えます。殺人ですとか傷害致死ですとか、いろいろな可能性があるわけですけれども、こういった場合はどうなるだろうかと。これ、大変なことですね、人一人亡くなっていますし、御家族にしてみれば大ショックな話。じゃ、そうした場合、どうするか。警察職員といっても入れ代わり立ち代わりというわけにもいきませんし、いろいろなケアとかいったものを考えなければいけない。専門的な支援活動ができるような指定された警察職員を用いようとか、あるいは警察職員や民間支援団体によってカウンセリングをやろうですとか、いろいろなことが考えられるところでもあります。また、亡くなっておりますから、生計を維持する方が亡くなったということであれば一時金を給付しようですとか、経済面あるいは心身両面、いろいろな被害、ダメージというものに対してできることはないかというので、ざっと挙げると、ケース1についてはここに書いたようなものがあるというところです。

(司会) ケース1、御覧いただきましたが、中川さん、いかがですか。

(中川) 想像もできないくらいの大変な、様々な方の、被害者の遺族の方の人生も変わってしまう大きな出来事で、カウンセリングという言葉にもちょっと驚いたんですけれども。どこに相談すればいいのかというのも直面してすぐは分からないことですし、そして、やっぱりお金がかかってしまうということ、物理的に生きていくために、でも、どうして被害者がこんなにお金がかかってしまうのか。この問題も解決のしようがない、泣き寝入りしかないのかなと思っていたので、このようなすばらしい支援があるということに、ちょっと驚きました。

(司会) 続いてのケースもあるのでしょうか。

(原田) ケース2は通り魔的な犯行によって性犯罪被害に遭ったというようなケースです。性犯罪被害ですけれども、被害に遭われた方が自分で抱え込んでしまわれる。無理もないことなんですけれども、誰に相談したらいいんだろうというので、潜在化してしまうようなこともあります。そうしたものに対して、警察では性犯罪相談電話というものを設けておりまして、全国共通ですが、#8103(ハートさん)というような番号で、24時間、無料で御相談いただける体制をとっています。あるいは警察はちょっとハードル高いな、ということであれば、全都道府県でワンストップ支援センターというのを設けて、いろいろなところへ御相談いただくのではなく、ここへ御相談いただけると、大体のことはひとまとめにしてお話を伺うことができる、#8891(はやくワンストップ)といったようなものを作ったりしておるところです。他にも被害者の方からお話を伺うときにもやはり性別とか気になる方もあるでしょうから、御希望の性別の捜査員によって対応させていただくですとか、いろいろなことをやらせていただいております。

 具体の事案によってまだまだいろいろなものが出てくるわけですけれども、ケース2の場合でしたら、例えばこういったものがあるというところです。

(中川) ちょっと驚きました。こういった被害は、本当に泣き寝入りというか、何度も状況を思い出して話さなければいけなかったりとか、そしてやっぱり知られたくないことだとも思うし、細やかなことまで被害者のことを心配してくださる人たちがいるというのは、皆さん、知らなかったことなんじゃないかなと。あと24時間話せるというのも、受け入れる体制があるということなので、とにかく被害者の方が救われるためにも、時間もかかってしまうかもしれない、精神も削られるかもしれない、だけど、こうやって被害者をこれ以上傷つけないようにという形があるということは、知ることができて良かったです。

(原田) はい、いろいろなものがあるところでございます。いろいろなケースがあって、その経験の上にいろいろな施策を展開してきたというところです。

 ケース3についてもちょっと御紹介してよろしいですか。

 犯罪被害に遭うということになりますと、例えばいろいろな噂ですとか、いろいろなものが出てきたりすることもあります。ここではインターネットで誹謗中傷を受けたというような例を挙げておりますけれども、ここでもカウンセリングですとか、あるいはそれが犯罪に当たるような侮辱とか名誉毀損に当たるようだったら検挙しようですとか、他にも発信者は誰だろうという、情報開示の制度を設けられてそれを運用していくとか、いろいろなものを徐々に徐々に施策として充実させ、被害者の方の辛さを軽減できるような、あるいは然るべき扱いが受けられるようなやり方って何だろうかということを工夫してきたところでもございます。

(中川) これも驚きですね。時代によってちゃんと細やかに柔軟に変化、進化してきているんだというのが知ることができてありがたいですね。数年前までは、このインターネットに関しては本当に無法地帯というか、言われるほうが悪いくらいの感じだったり、あとはそのことについて警察に相談するだったり、「そんな大げさな」みたいな、そういう空気だったものが、ちゃんとこうやって被害者が守られて当然というふうに整備されていくことによって、そして情報がこうやって広がっていくことによって、被害者の方もすぐに相談するという行動、それは勇気も伴うことなんですけれども、相談しやすくなるためにすごく必要なことですし、実際に相談している内容が細かかったり、線引き、言葉だったりというのは、受けた人のメンタルの許容量にもよると思うので、どこまでそこが相談に乗っていただけるかというのはすごいデリケートだと思うんですけれども、今後もインターネットというのはずっとずっとあるので、とても大事な情報だなと思います。

(原田) 世の中の変化によって、どういう被害が発生するかというのも変わっていきますし、また、被害者の方それぞれによってどういう対応がいいのかというのも変わるかと思います。我々もいろいろと考えながら、どういったものができるだろうか、どうすればいいのだろうかということを考えながら対応させていただいておるところです。

(司会) お話の尽きないところですが、「被害者支援を知ろう」をテーマにお送りしてまいりましたこのトークセッションもそろそろエンディングの時間が近づいてまいりました。最後に御登壇いただきましたお二人に感想や総括をいただければと思います。では、中川さん、お願いします。

(中川) はい、犯罪が少しでも減っていってほしいという願い、そして犯罪の被害に巻き込まれることがない、そんな、安心して暮らせる世界であってほしいというのは誰もが願うことだと思うんですけれども、でも、実際に起きてしまったときに混乱したりとか、ショックだったりとか、いろいろなマイナスの感情に包まれて、それでも生きていかなければいけないというときに、こういった支援がちゃんとある、そして時代によって柔軟に、そして受け入れる広さも拡大していっているということを本日知ることができたというのは、過去の自分にも教えてあげたかったなというように思います。やっぱり相談することで精一杯で、だけど頼めたりとか相談できたりするとも思っていなかった、これはすごく意識が変わる大きな時間になったなと思いますし、ぜひ、これからも本当になるべく平和な日本であってほしいですが、万が一、大事な人が巻き込まれたときだったり、何かできることって難しいかなと思うんですけれども、こういったことがあるよということはぜひ皆さんにも広めていっていただければなと思います。私も今後の生き方にとても参考にさせていただきます。本当に警視庁、警察の皆さんに今までも助けていただいたことがあるので感謝を持って、そして、また何かありましたら遠慮なく相談させていただきます。ありがとうございます。

(司会) ありがとうございます。では、原田さん、お願いいたします。

(原田) ありがとうございました。遠慮なく御相談いただければと思います。私どもとしても、この4月に第4次犯罪被害者等基本計画、始まったばかりでもございます。これまでの積み重ねを踏まえて、更にできることはないかということで頑張ってまいりたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

 ちょっと紹介させていただきますと、ここでこのマスコット、何だろうというふうに思われた方があるかと思います。これが被害者支援のマスコットでありまして、“ギュっとちゃん”という名前であります。デザインあるいは名前については国民の皆様に公募させていただいて、この形に定めまして、これからもこのギュっとちゃん、大いに活躍してもらおうというふうに思っているところです。中川さんの横にぬいぐるみも置いておりますけれども、これをシンボルマークとしてこれからも取り組んでまいりますので、皆様に御理解、御協力を賜れればと存じます。

(司会) 中川さん、ギュっとちゃん、御覧になっていかがですか。

(中川) 実際、立体になると、この輪郭の部分がけっこうぽっちゃり気味でとても愛らしいシルエットですね。ほんとにギュッとしてもらいたいし、したくなるようなデザインですし、今回、ポスターのために、私もギュっとちゃんのイラストを描かせていただいたりもしたんですけれども、すごく温かくて、ピンクと赤のホッとする優しさに包まれたキャラクターで、動いたのもびっくりしたので、もし声を当てる際がありましたら、何とぞ中川翔子でよろしくお願いします。

(原田) そのときはぜひよろしくお願いします。

(司会) ありがとうございました。本日はタレントの中川翔子さんと警察庁の原田さんをお招きして、被害者支援についてお話しいただきました。お二人ともお疲れさまでした。

(中川) 本日はありがとうございました。

(原田) ありがとうございました。

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