岐阜大会:主催者挨拶

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 堀 誠司

 ただいま御紹介いただきました、警察庁で犯罪被害者等施策を担当しております審議官の堀でございます。「犯罪被害者週間岐阜大会」の開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。

 本日は御多用中にもかかわらず多くの方に御参加いただき、誠にありがとうございます。特に講演者の方、そしてパネリストの皆様には厚く御礼を申し上げます。

 政府では、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」とし、犯罪の被害に遭われた方、あるいは御家族等が置かれている状況等について、多くの国民の皆様に理解や共感を深めていただくために集中的な広報・啓発活動を行っております。岐阜大会はこの一環として開催するものであり、基調講演のほか、有識者の皆様を交えましたパネルディスカッションを行うこととしております。

 犯罪の被害に遭われた方などがどのような境遇にあり、どのような支援を必要とされているのか、また、どのような支援ができるのかについて、皆様にも考えていただくきっかけになればと思います。併せて、本日、ここでお聞きになったお話を、是非、御家族あるいは御友人等一人でも多くの方にお伝えいただき、理解を広げていただければと思います。

 また、本年度は、本大会をはじめとした警察庁等が主催する各地の犯罪被害者週間イベントの模様を、ユーチューブにおいて映像配信を行います。会場に御来場いただけない方々にも、映像を通じて大会の趣旨が届き、本大会に引き続き全国各地で開催される啓発活動が活気を帯び、支援に対する社会全体の気運が更に高まっていくことを期待しております。

 ところで、現在、政府では犯罪の被害に遭われた方々のための施策に関する基本的な計画である「第4次犯罪被害者等基本計画」の策定作業中でございます。犯罪の被害に遭われた方あるいはその御家族が、被害から回復し、社会の中で再び平穏な生活を営むことができるよう施策の充実を図ってまいりたいと考えております。

 岐阜県におかれましても、本日の大会を一つのきっかけといたしまして、県、各市町村、また、警察や犯罪被害者支援センター等の機関が相互に連携し、各種の施策を推進されることを期待しております。

 最後になりますが、この大会が多くの方々の御協力により開催されたことにつきまして心より感謝申し上げ、また、犯罪の被害に遭われた方などを社会全体で支えていく気運が高まっていくことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。どうぞ、本日は、よろしくお願いいたします。

岐阜県知事 古田 肇

 今日は犯罪被害者週間の岐阜大会ということで、またコロナ禍ではありますが、多くの方々にいろいろと御尽力いただきまして、こうしてこの大会を開催することができ、大変ありがたく思っているところでございます。本県としては、初となる大会でございます。警察庁それから県警本部、更にはぎふ犯罪被害者支援センターの皆様、また関係者の皆様には心から御礼申し上げる次第でございます。また、日頃から犯罪被害者支援について、大変皆様には御尽力いただいております。この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。

 さて、当然のことながら、犯罪はある日突然やってくるわけでありまして、被害者の方々がそこからどのようにして平穏な日々を取り戻していけるか、お一人お一人に寄り添う形で配慮をし、支援をしていくということでありますけれども、同時にそうした方々に対する尊厳を大切にする、そういう社会づくりもしていかなければいけないと思っております。私ども岐阜県では、平成20年から、「犯罪のない安全・安心なまちづくり条例」の中で犯罪被害者支援ということをしっかりと位置付けて行動計画にも盛り込んできた次第であります。また、岐阜県独自の制度でありますが、犯罪被害者の遺児の方々に対して高校を卒業するまでの間、毎年、激励金ということで支援をさせていただいているところでございます。

 そうした中で、専門人材を確保しなければいけないとか、あるいはインターネットでの誹謗・中傷といった二次的被害の問題が生じているとか、更には事案が非常に広域に及ぶということで広域的な連携の中で支援策を展開していかなければいけないとか、いろいろな課題がこのところ出てきているわけでございます。そういったことから、この犯罪被害者支援に特化した、それオンリーの条例をつくってはどうかという議論が起こってまいりまして、今、私ども県のほうでは、この9月議会に条例の骨子をお示しし、今度の12月議会には条例の概要ということで、ほぼ条例に近い形で整理をいたしまして、そのあとパブリックコメントにおかけして、各界・各層の方々の御意見もいただいた上で、来年の2月議会に条例案を上程したいというふうに思っているところでございます。皆様方のいろいろなお知恵や御経験に基づいた御提言をいただければ大変ありがたく思う次第でございます。

 今回のこの大会は、ちょうどそういった条例づくりのプロセスの中で行われる大会であり、大いにその成果を期待するところでございます。最後になりますが、実りある大会になりますことを、そして皆様方の益々の御健勝、御活躍を御祈念申し上げまして、御挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

岐阜県警察本部長 奥野 省吾

 岐阜県警察本部長の奥野と申します。本日は大変御多用中にもかかわらず、多数の方々にお集まりいただき、誠にありがとうございます。皆様には、平素から犯罪に遭われた方々やその御家族に対して温かい御支援をいただいておりますこと、また警察業務に関し御理解と御協力をいただいていることに対し、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

 さて、近年の県内の犯罪の認知件数や交通事故の発生件数は年々減少傾向にありますが、依然として殺人等の凶悪事件や悲惨な交通事故は後を絶たず、被害に遭われた方々は、突然、平穏な日常生活を奪われ、犯罪や事故により直接受ける身体の傷や痛みのほか、精神的な不安、経済的な困窮等に苦しむ日々を送らざるを得ない状況となっております。こうした中、社会全体でこのような被害に遭われた方々に寄り添い、支援を行うことが強く求められております。警察は、犯罪被害の発生直後から被害者等に深く関わる機関として、捜査の過程における負担の軽減でありますとか、御要望に応じた情報の御案内等、被害者等の心情に配慮して様々な支援を行うよう努めておりますが、支援を進めるにつれ、被害者等の思いや求めに十分に応えるということの難しさを感じているところでもあります。

 県内における犯罪被害者等支援を巡る状況を見ますと、関係者の御尽力によりましてここ数年の間に県下の42市町村全てで犯罪被害者の支援条例が制定され、県におきましても先ほど知事からお話がありましたとおり、来年春の施行を目指して条例の整備を進めていただいておりまして、社会全体で犯罪被害者を支援するための土台、基盤が着実に整備されてきていると感じております。警察としましては、こういった気運を捉え、今後、一層、各行政機関やぎふ犯罪被害者支援センター等の方々と連携を強化して、犯罪被害者等支援の施策の充実に取り組んでいく所存であります。

 結びに、本日の大会が成功し、これを機に犯罪被害者等支援の重要性が県民の皆様に広く認識され、犯罪被害者の権利・利益の保護の充実が図られるようになることを祈念しまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

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