7 調査結果の分析について

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犯罪被害者の現況の把握に加えて、一般対象者にも調査を実施することで、犯罪被害者と一般対象者の健康上の問題、精神上の問題、悩み等について比較・分析をしている。また、殺人・傷害等、交通事故、性犯罪の被害類型別に、身体上・精神上・経済上の状況の意識に関する傾向や、生活状況、二次的被害の意識についても分析を行っている。

なお、調査結果において掲載されているK6とは、うつ病、不安障害に対するスクリーニング手法のことである。2002年に米国のKesslerらが項目反応理論に基づき提案、日本語版は同年に名古屋市立大学大学院医学研究科教授の古川らが翻訳している[1] 。6つの設問の合計値(合計24)が高いほど精神健康に問題がある可能性が高くなり、合計値13点以上では重症精神障害の診断に該当する可能性が高いとされ、7~12点では、軽度精神障害の可能性ありとされている。本調査では、アンケート調査票のQ15において、過去30日間に「神経過敏に感じた」、「絶望的だと感じた」、「そわそわ落ち着かなく感じた」、「気分が沈みこんで、何が起こっても気が晴れないように感じた」、「何をするのも骨折りだと感じた」、「自分は価値のない人間だと感じた」の6つの設問に対する回答選択肢について、「全くない」=0、「少しだけ」=1、「ときどき」=2、「たいてい」=3、「いつも」=4 とスコア化し、各回答のスコアを合算して得点を算出している。

[1] Furukawa TA, Kawakami N, Saitoh M, Ono Y, Nakane Y, Nakamura Y, achimoriH, Iwata N, Uda H, Nakane H, Watanabe M, Naganuma Y, Hata Y, Kobayashi M, Miyake Y, Takeshima T & Kikkawa T (2008) The performance of the Japanese version of the K6 and K10 in the World Mental Health Survey Japan. International Journal of Methods in Psychiatric Research, 17, 152-158.

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