警察活動の最前線
担当犬と共に日々訓練を重ね、更なる高みへ
警視庁警備部警備第二課警備装備第三係
新村 賢樹

警備犬は、警備現場における爆発物の捜索、犯人の制圧、災害救助等を任務とし、私はそうした警備犬を操り警備に活用する「警備犬ハンドラー」として業務に当たっています。
警備犬ハンドラーとなって1年が過ぎた令和6年8月下旬、都内の山岳地帯における行方不明者捜索の要請があり、私と担当犬を含めた4名2頭で出動しました。その日は気温が高い上に前日の雨の影響で足場が悪く、犬の体調や周囲の環境にも気を配りながら捜索を続けていると、突然、担当犬が耳を立て斜面の下方向に鼻を向けて駆け下りていきました。急いで後を追ったところ、沢沿いの草陰に隠れるような姿勢で座り込んだ行方不明者を発見し、怪我なく無事ご家族に引き渡すことができたのです。
また、令和6年10月に衆議院議員選挙が行われた際には、警備犬部隊は都内だけでなく全国に派遣され、警護警備に従事しました。失敗が許されない緊張感の中、現場を想定した日々の爆発物捜索訓練や、実際の現場における国内外要人等の行き先地検索等の経験をいかし、担当犬と連携して冷静に会場周辺検索等の警戒に当たり、この任務を無事に完遂することができました。
これからも担当犬と共に日々現場を想定した訓練を重ねて、ますます活躍できるよう精進していきます。

失敗は許されない
大阪府警察本部警備部警備第一課管理官(警衛警護担当)
原田 淳

大阪府警察本部警備第一課警衛警護室では、安倍元首相銃撃事件や岸田前首相に対する爆発物使用襲撃事件を受け、警察庁指導の下、綿密に警護計画を策定し、現場において要人警護の万全を図っています。
私は当室において日常的に警護業務に従事していますが、警察庁主催の警護訓練では全国の警護員に対して指導に当たることもあり、こうした中で、安倍元首相銃撃事件以降、全国の警護員たちは常に悔しさを抱きつつ、職務に従事していることを肌で感じてきました。
我々は、もう一度日本の要人警護の信頼を取り戻すべく、地道に訓練を繰り返しています。最初は緊張した面持ちだった訓練生も訓練を重ねる度に練度が向上し、堂々とした警護員に成長していくことに私自身、頼もしさを感じています。
その中で、全国の警護員たちが、もう二度と同じような事案を発生させないという強い決意の下、安倍元首相銃撃事件発生以降初めての大規模国政選挙であった第50回衆議院議員総選挙に伴う警護に取り組み、大きな事件・事故等なく、任務を完遂することができました。
これからも国際的な行事や国政選挙等が行われていく中で、外国要人や内閣総理大臣等の要人を守る警護の任務がなくなることはありません。国際的な行事では海外の要人が安心して日本で滞在できるように、また、国政選挙等では要人の安全を確保するとともに聴衆が安全に演説を聞くことができるように、全力で取り組んでいきます。
