第6章 公安の維持と災害対策

6 ローン・オフェンダー等の脅威と対策

近年、特定のテロ組織等と関わりのないままに過激化した個人、いわゆるローン・オフェンダーによる事件や、社会一般に対する恨み、不安等を背景として不特定多数の者に対して危害を加える事件が繰り返し発生しており、対策の強化が急務となっている。

こうした情勢を受け、警察では、警備部門に司令塔機能を担う体制を構築し、関連情報の一元的な集約を行うとともに、警察の各関係部門がそれぞれの特性をいかして対策を講じるローン・オフェンダー等対策のための新たな業務モデルを策定し、令和6年度から全国の都道府県警察において運用している。

こうした新たな仕組みの下、警察では、ローン・オフェンダー等による違法行為を未然に防止するため、現実空間とインターネット空間の両面における情報収集・分析活動に取り組んでいる。また、銃砲や爆発物の製造方法等に関する情報が、インターネットを通じて容易に入手されてしまう現状を踏まえ、警察では、サイト管理者等への削除依頼等を行っているほか、ローン・オフェンダー等による爆発物の原料等の入手を阻止するため、関係機関と協力しつつ、爆発物の原料となり得る化学物質を販売する事業者に対し、販売時の本人確認や使用目的等の確認を徹底するよう要請したり、不審な購入者への対処要領を教示したりしている。

 
図表6-10 ローン・オフェンダー等への対応の流れ
図表6-10 ローン・オフェンダー等への対応の流れ


前の項目に戻る     次の項目に進む