第4章 組織犯罪対策

2 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況

マネー・ローンダリング事犯の検挙事件数は、図表4-27のとおりであり、令和6年中は1,283件(前年比374件(41.1%)増加)であった。前提犯罪(注)別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが462件、窃盗に係るものが386件、電子計算機使用詐欺に係るものが288件となっている。

注:不法な収益を生み出す犯罪であって、その収益がマネー・ローンダリングの対象となるもの

 
図表4-27 マネー・ローンダリング事犯の検挙事件数の推移(平成27年(2015年)~令和6年)
図表4-27 マネー・ローンダリング事犯の検挙事件数の推移(平成27年(2015年)~令和6年)
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令和6年中におけるマネー・ローンダリング事犯の検挙事件数のうち、暴力団構成員等が関与したものは80件と、全体の6.2%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが18件、電子計算機使用詐欺に係るものが10件、窃盗に係るものが9件と、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

また、令和6年中における来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯は141件と、全体の11.0%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが59件、窃盗に係るものが47件、電子計算機使用詐欺に係るものが20件となっている。さらに、日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり、不正入手した他人の電子決済コードを利用したりするなど、様々な手口を使ってマネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

CASE

会社役員の男(35)らは、令和3年9月から令和5年8月にかけて、SNS等で犯罪実行者を募集し、応募してきた者らに、ペーパーカンパニー(架空法人)を設立させるとともに、その法人名義で口座を開設させ、詐欺やオンラインカジノの犯罪収益を、同口座間で送金させる方法でマネー・ローンダリングを行っていた。令和6年9月までに、同男ら6人を組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)等で逮捕した。逮捕時、同男らは約500社のペーパーカンパニーに係る約4,000の法人口座を管理していた(大阪)。



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