第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

警察活動の最前線

琵琶湖の安全安心に向けて


滋賀県警察本部生活安全部地域課水上警察隊

松本 和憲

 
けいたくん

私は、琵琶湖における水上警察隊の船舶技師として、警察用船舶の運航や点検整備、湖上での各種事案発生時における救助等の現場活動を行っています。

琵琶湖は、ハイシーズンになると多数のボートでひしめきあい、気象状況によっては数メートルの波が発生することもあるため、例年各種事故が発生します。

当隊では、大きさの異なる7隻の警察用船舶を保有しているところ、活動水域や気象状況等を考慮してそれぞれの警察用船舶の特性をいかした運用を実施しています。さらに、災害発生時における人や物資の輸送等を想定して、いつでも全船舶が即時出航できるよう適切に維持管理する必要があり、そのために日々の点検整備を行うことこそ、船舶技師として私が最も大事にし、かつ、やりがいを感じているところです。

また、事案発生時における警察用船舶での救助活動は、不安定な船上での作業となることから、常に危険と隣り合わせです。そのため、受傷事故防止を第一としつつ、迅速確実な救助が行えるよう、共に水上警察隊で活動する警察官と協力して活動しています。さらに、水上安全協会等の関係機関と連携して事故防止啓発活動を実施するなど、琵琶湖の安全の要として「柔軟で力強い水上警察」を目標に日々業務に邁進しています。

 
滋賀県警察本部生活安全部地域課水上警察隊 松本 和憲

情報分析技能の伝承による後継者育成に向けて


山口県警察本部刑事部捜査支援分析課指導兼手口分析係

北村 晋

 
ふくまるくん

私は、平成20年に警察庁指定広域技能指導官(手口・情報分析支援)の指定を受けて以降、全国警察からの要請に基づき、犯罪の手口・情報分析に関する教養を行っています。

被疑者を割り出すための情報分析は、現場に遺留された資料、犯罪の手口に関する資料等から様々な情報を必要としますが、分析の経験が浅かった当時は、それらの資料の活用がうまくできず、悔しい思いをしました。

そこで、情報分析の技量を向上させるため、平素から事件ごとの資料の価値や信憑性、分析の効率性等に目を向けるとともに、必要に応じて、被害が発生した時間帯に実際に現場に足を運んだり、分析データを迅速かつ効率的に処理する自作プログラムを活用したりといった工夫をし、犯人像や犯行時の犯人の行動推定に努めました。

こうした自身の経験談を踏まえた情報分析手法については、あらゆる機会を通じ、全国警察に教養を行っています。私の教養を基にして被疑者の検挙につながった事例を聞くと、技能指導官としての喜びもひとしおです。

近年、新たな犯罪形態が次々と出現していますが、情報分析の業務では、先入観を排除して、事件の本質とその背景に潜む様々な情報に目を向けることが大切です。

これからも、広い視野で多くの情報を迅速・正確に精査・分析できる後継者を一人でも多く育成することが、私の使命だと考えています。

 
山口県警察本部刑事部捜査支援分析課指導兼手口分析係 北村 晋


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