トピックスIV G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合の開催について
国際組織犯罪、テロ、サイバー犯罪等、世界を取り巻く治安上の課題は、我が国の国民の安全・安心にも直結する我が国自身の課題でもある。これら国境を越える犯罪への対処に当たっては、国際的な協力が極めて重要である。
(1)G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合の概要
令和5年(2023年)12月8日から同月10日までの3日間、茨城県水戸市で、G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合が開催された。G7各国及びEUの内務・安全担当閣僚等並びにICPO(注)事務総長が一堂に会し、経済安全保障及び民主主義的価値の保護、サイバー空間の安全の確保、児童の性的搾取・虐待、ウクライナ支援、生成AI、国際組織犯罪並びにテロ・暴力的過激主義の7つの議題について意見を交わした。
例えば、経済安全保障及び民主主義的価値の保護に関しては、技術情報の窃取や偽情報の拡散といった課題への対応について議論したほか、ウクライナ支援に関しては、同国のイーホル・クリメンコ内務大臣がオンラインで参加し、ロシアによるウクライナ侵略下における同国の現状について説明した。また、生成AIに関しては、第一線の研究者も交え、生成AIのリスクや可能性について、将来予想される治安事象も含めた議論を行ったほか、国際組織犯罪に関しては、G7内務・安全担当大臣会合で初めて、特殊詐欺を議題として取り上げた。
3日間の会合の閉幕に際し、議論の結果を踏まえ、児童の性的搾取対策及び国境を越える詐欺への対策に関する附属文書を含む「G7茨城水戸内務・安全担当大臣コミュニケ」を採択し、様々な犯罪や治安上の課題と闘うG7としての意思と確固たる決意を、世界に力強く発信した。
注:18頁参照(特集)

会合の様子

オンラインで参加したウクライナのイーホル・クリメンコ内務大臣

会合の成果を発表する松村国家公安委員会委員長
(2)今後の取組
警察では、G7諸国をはじめとする我が国と関わりの深い国の治安機関等との間で治安をめぐる課題について議論するなどし、国際的な捜査協力の促進や治安対策の強化に貢献していくこととしている。
