警察活動の最前線
自転車にも正しい交通ルールを
愛知県警察本部交通部第二交通機動隊
播磨 沙耶佳

私は、自転車利用者に対する交通指導取締りや交通安全教育等に特化して交通機動隊に設置された自転車対策専従部隊・通称「B-Force(ビーフォース)」で、これらの活動に従事しています。
B-Forceでは、小学生やその保護者、高齢者等の幅広い年齢層の方々に対して、自転車乗車時のヘルメット着用の重要性を理解してもらうため、警察官が実際の事故の状況を再現したり、交通ルールについてクイズ形式で学ぶ機会を設けたりと様々な工夫をして、分かりやすい形での参加・体験・実践型の交通安全教育を行っています。
参加された方から、「これからはしっかりとヘルメットを被りたいと思いました」、「こうしたルールがあるとは知りませんでした」などの声をいただくと、自分の活動が自転車の安全利用を考えるきっかけになっていると肌で感じることができます。
また、B-Forceでは、交通事故の発生実態や地域住民の声を参考に交通指導取締りを行っており、交通ルールを守ることの重要性について理解してもらう指導警告のほか、信号無視や一時不停止等の交通事故につながる悪質で危険な違反を行った自転車利用者には、検挙措置を通じて反省を促しています。
一時不停止をして車と接触しそうになった自転車利用者を検挙した際、違反者から、「標識を意識しておらず、周りを全く見ていませんでした」と言われたことがあり、自転車利用中の事故を防ぐためには、自転車の交通ルールの周知徹底が極めて重要であると改めて強く感じました。
今後もB-Forceの一員として、自転車の悲惨な交通事故を1件でも減らすための活動に尽力していきたいです。

腹話術人形“全(ぜん)ちゃん”とともに
鹿児島県警察本部交通部交通企画課交通安全啓発係
下村 瑛里香

私が所属している交通企画課交通安全啓発係では、交通安全教育車「ひまわり号」を活用して県内各地の幼稚園、保育園等を訪問し、腹話術、実技、アニメーション等を用いた交通安全教室を行っています。
私は、大学在学中、未来ある子供たちのため何か貢献したいと思い、保育士や幼稚園教諭の免許を取得しました。そして、大学卒業後は鹿児島県警察に奉職し、地域課等に所属して社会のため・県民のために職務に打ち込んできましたが、大学生の頃から抱き続けていた「子供たちのために何かしたい」という気持ちがますます大きくなったため、現係への異動を希望し、念願が叶いました。
しかし、係に配属された当初は、交通安全教室で先輩の姿を見る度に、「私はこんなに上手な腹話術なんてできない」と落ち込み、弱音ばかり吐く毎日が続きました。
それでも、こんなネガティブな気持ちを前向きにし、私の背中を押してくれたのは、腹話術人形“全ちゃん”に向ける子供たちの多くの眼差しでした。
私が、交通安全教室で“全ちゃん”と一緒に登場すると、子供たち一人一人が目を輝かせて私たちの方を見て、一生懸命交通ルールを覚えようとしてくれます。
腹話術のほかにも、まだ私が知らない教育技法がたくさんあると思いますので、日々学び、努力を重ね、子供たちを交通事故から守るためにこれからも頑張ります。
