第5章 安全かつ快適な交通の確保
第1節 交通事故情勢
1 交通事故の現状
(1)令和5年(2023年)の概況
令和5年中の交通事故による死者数(注)(以下単に「死者数」という。)は2,678人と、8年ぶりに前年比で増加した。
また、重傷者数も2万7,636人と、23年ぶりに前年比で増加した。
注:交通事故発生から24時間以内の死者数

(2)過去10年間の死者数等の推移
平成26年(2014年)と比較すると、令和5年中の死者数は全年齢層で34.9%、65歳以上で33.2%それぞれ減少し、令和5年中の人口10万人当たりの死者数は全年齢層で33.7%、65歳以上で41.2%それぞれ減少した。
他方、令和5年中の65歳以上の人口10万人当たりの死者数は全年齢層のそれと比較して約2倍であり、また、死者数全体に占める65歳以上の割合は54.7%と、いずれも引き続き高い水準となっており、高齢者の交通事故防止対策が重要となっている。



(3)状態別・類型別の特徴
人口10万人当たりの死者数を状態別にみると、令和5年中は歩行中、自動車乗車中、二輪車乗車中、自転車乗用中の順に多いが、二輪車乗車中の死者数は前年より特に増加(注1)しており、中でも直進二輪車と対向右折車両との事故による死者数が特に増加(注2)している。
また、運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数(注3)を事故類型別にみると、令和5年中は、正面衝突等(注4)、歩行者横断中の順に多い。
注1:二輪車乗車中の死者数は、令和4年中は435人、令和5年中は508人である。
注2:直進二輪車と対向右折車両との事故による二輪車乗車中の死者数は、令和4年中は69人、令和5年中は97人である。
注3:自動車、自動二輪車及び原動機付自転車の運転者による事故を計上
注4:正面衝突、路外逸脱又は工作物衝突


(4)時間帯別・月別の特徴
最近5年間における死亡事故を時間帯別にみると、17時台から19時台にかけて多く発生しており、中でも薄暮時間帯(注)の死亡事故は、10月から12月にかけて特に多く発生している。
注:日の入り時刻の前後1時間

