第4章 組織犯罪対策

2 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況

マネー・ローンダリング事犯の検挙件数は、図表4-23のとおりであり、令和5年中は909件(前年比183件(25.2%)増加)であった。前提犯罪(注)別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが334件、窃盗に係るものが319件、電子計算機使用詐欺に係るものが160件となっている。

令和5年中におけるマネー・ローンダリング事犯の検挙件数のうち、暴力団構成員等が関与したものは57件と、全体の6.3%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては電子計算機使用詐欺に係るものが17件、詐欺に係るものが12件、窃盗に係るものが9件と、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

また、令和5年中における来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯は96件と、全体の10.6%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが46件、窃盗に係るものが27件、電子計算機使用詐欺に係るものが10件となっている。さらに、日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり、不正入手した他人の電子決済コードを利用したりするなど、様々な手口を使ってマネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

注:不法な収益を生み出す犯罪であって、その収益がマネー・ローンダリングの対象となるもの。

 
図表4-23 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成26年(2014年)~令和5年)
図表4-23 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成26年(2014年)~令和5年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら

CASE

会社役員の男(41)らは、令和4年6月から同年7月にかけて、特殊詐欺グループが料金請求名目でだまし取った電子マネーギフト券合計約1,180万円相当の利用権を、同男が経営する法人名義でインターネット・オークションに出品し、合計約1,080万円で不特定の購入者に売却した。令和5年8月、同男ら2人を組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)で逮捕した(大阪)。



前の項目に戻る     次の項目に進む