第2部 本編
第1章 警察の組織と公安委員会制度
第1節 警察の組織
(1)公安委員会制度
公安委員会は、警察行政の民主的運営、政治的中立性の確保の目的で導入された合議制の行政委員会であり、国に国家公安委員会を置いて警察庁を管理し、都道府県に都道府県公安委員会を置いて都道府県警察を管理している。国家公安委員会委員長には、治安に対する内閣の行政責任の明確化を図るため、国務大臣が充てられている。
(2)国の警察組織
原則として、執行事務を一元的に担う都道府県警察に対し、国の機関である警察庁は、警察制度の企画立案のほか、国の公安に係る事案についての警察運営、警察活動の基盤である教育訓練、通信、鑑識等に関する事務、警察行政に関する調整等を行う役割を担っている(注)。警察庁長官は、国家公安委員会の管理の下、これらの警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督している。
注:令和4年4月から、国家公安委員会の管理の下、警察庁が重大サイバー事案に係る犯罪の捜査その他の重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する事務をつかさどることとなり、現在、関東管区警察局に設置されたサイバー特別捜査部が執行事務を担っている。
図表1-1 国の警察組織(令和6年(2024年)度)

(3)都道府県の警察組織
令和6年4月1日現在、47の都道府県警察に、警察本部や警察学校等のほか、1,149の警察署が置かれている。
図表1-2 都道府県の警察組織(令和6年度)
