警察活動の最前線
G7広島サミット警備を終えて
広島県警察本部警備部機動隊
斉藤 輝

私は、広島県警察本部警備部機動隊で爆発物対応専門部隊員として爆発物容疑事案への対応に従事しています。
G7広島サミット警備においても様々な不審物件事案の現場に出動することがあり、緊張の日々でした。
その中でも、多数の人が集まる大規模商業施設に出動した際は、特に緊迫した状況での活動となりました。
商業施設のトイレ内に不審物件が置かれているという通報を受け、現場臨場した私たちは、同物件が爆発物である可能性を考慮し、施設関係者と連携して付近の立入規制及び避難誘導を実施しました。
そして、現場において同物件の危険性の確認を行うとともに、万が一の事態を想定し、直ちに同物件の搬送・隔離を行いました。
搬送後に実施した検査により、同物件は爆発物ではないことが分かりましたが、出動時には非常に緊張した現場でした。
大規模商業施設という多数の人が集まる場所で、爆発物のおそれがある物件が発見されたという状況下にあったにもかかわらず、安全かつ迅速に対処することができたのは、平素からの訓練のたまものだと感じています。
これからも、G7広島サミット警備での貴重な経験を基に、県民の安全・安心のため、日夜訓練に励み、爆発物対応専門部隊の対処能力を一層高めてまいります。

誰もが安心して活動できるサイバー空間を目指して
兵庫県警察本部サイバーセキュリティ・捜査高度化センターサイバー捜査課情報係
下田 泰伸

私は、サイバー相談のための専用窓口の業務を担当しています。この窓口では、24時間365日体制で、今正に被害に遭って困っている県民や県内企業からの相談を受け付け、被害状況の確認や、被害が拡大する前に執るべき対応の教示といった防犯指導等を行っています。
最近はランサムウェアの感染等、企業からの相談も増えてきていますが、証拠となるデータの確保といった捜査側としての思いだけでなく、被害企業の業務継続という観点等、被害者の立場に立って対応することが重要だと感じています。
特に、中小企業の中には、IT専門の部署がないため被害状況が判然とせず、対応に苦慮して警察に相談をしてくるというケースもあります。
こうした相談に当たっては、被害の範囲・内容等を速やかに確認し、被害の拡大を防止するための対応や、法令で定められている報告先を教示するとともに、専門の捜査員を早期に現場に派遣するための調整を行うなど、被害企業の業務継続に向けたサポートと迅速な初動捜査を両立することができるよう、工夫して取り組んでいます。
今やサイバー空間は国民生活・社会経済活動に不可欠な公共空間となりました。今後も、一つ一つの相談に対して適切な対応を地道に積み重ね、安全・安心なサイバー空間を守るため、日々の仕事に取り組んでいきたいと思います。

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。