第4章 組織犯罪対策

2 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況

マネー・ローンダリング事犯の検挙件数は、図表4-26のとおりであり、令和4年中は726件(前年比94件(14.9%)増加)であった。前提犯罪(注)別にみると、主要なものとしては窃盗に係るものが257件、詐欺に係るものが254件、電子計算機使用詐欺に係るものが105件となっている。

令和4年中におけるマネー・ローンダリング事犯の検挙件数のうち、暴力団構成員等が関与したものは64件と、全体の8.8%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが28件、電子計算機使用詐欺に係るものが11件、窃盗に係るものが9件、恐喝に係るものが7件と、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

また、令和4年中における来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯は108件と、全体の14.9%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが36件、窃盗に係るものが35件、電子計算機使用詐欺に係るものが11件、入管法違反に係るものが6件と、日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり、不正入手した他人の電子決済コードを利用したりするなど、様々な手口を使ってマネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

注:不法な収益を生み出す犯罪であって、その収益がマネー・ローンダリングの対象となるもの。

 
図表4-26 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成25年~令和4年)
図表4-26 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成25年~令和4年)
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CASE

会社員の男(34)は、令和3年6月、インターネットバンキングに係る不正送金により得た金銭合計約450万円で暗号資産を購入した上、他の暗号資産アドレスに移転して隠匿した。令和4年2月、同男を組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)で逮捕した(岡山)。



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