第6章 警察活動の支え

警察活動の最前線

被害者の存在とその思いを忘れない


香川県三豊警察署留置管理課

花田 和樹(はなだ かずき)

 
ヨイチくん

留置施設で勤務する留置担当官が持つべき『志』とは、「被留置者の後ろには被害者がいる。」ということです。

私は「今も苦しんでいるその被害者は、私達の仕事ぶりを、その一挙一動をじっと見ている。被害者の存在とその方の思いを決して忘れず、凛とした姿勢と何事にも動じない気概で、眼前の被留置者に対峙しなければならない。」と先輩から学びました。まさにそうであると感じ、課員にも同じように指導しています。

被留置者は、うな垂れている者、警察官を陥れようとする者、真摯に反省している者等、多種多様です。

担当官としての経験が浅かった頃の私も、対応の必要性が認められない要望を繰り返し言う被留置者に悩まされました。

事件が発生して被疑者を逮捕する、すべては現場から始まります。しかし、被留置者が犯した罪と真摯に向き合うべき場所であるこの留置施設もまた、紛れもない『現場』です。

私は、どのようなタイプの被留置者に対しても、この『志』を貫き、この現場でチーム一丸となって業務に勤しむ留置管理部門の礎となる後継者を、ひとりでも多く育てていきたいと思います。

被害者の存在とその思いを決して忘れることなく、これからも粛々と仕事に取り組んでいきます。

 
香川県三豊警察署留置管理課 花田 和樹

可能性を求めて


愛知県警察本部交通部運転免許試験場長

小﨑 文子(こざき あやこ)

 
コノハけいぶ

高校卒業後、警察官を志し、結婚、出産、子育ての経験を経ながら勤務してきました。平成11年春、警部補に昇任し、名古屋市内の警察署の交通総務係長に配属された私への、上司からの言葉は「期待しているからな」でした。当時、女性の交通総務係長の配置がなく、企業講話や地域、団体等との協力、調整を要する業務は男性警察官が適していると思われていたようです。対象に応じた交通安全教育の方法に取り組み、地域、団体の方々等との協力、連携も、知識と私的部分も含めた経験を活かし、新たな視点で取り組みました。現在、女性の交通総務係長の存在は当たり前となり、各部門でも多数の女性幹部警察官が活躍しています。

自身の経歴を振り返りますと、署の交通課長、本部の住民相談、採用等を経験しましたが、「女性の特性」というよりも、「自分を活かす」ことで女性拡大の一役を担えたのではないかと思います。「与えられた仕事にベストを尽くす。自分の可能性を追求しながらワンランク上を目指す」そして「楽しむ」という気持ちを強く持つことが大切です。

コロナ禍の今、運転免許試験場長として、皆さんが笑顔で過ごせる社会の一役を担う責任を自負しつつ、更なる可能性を求めて業務に取り組む毎日です。

 
愛知県警察本部交通部運転免許試験場長 小﨑 文子


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