第4章 安全かつ快適な交通の確保

2 道路交通環境の整備による歩行者等の安全通行の確保

(1)ゾーン30の整備の推進

警察では、市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するため、道路管理者と連携して、ゾーン30の整備を推進している。ゾーン30とは、区域(ゾーン)を設定して、最高速度30キロメートル毎時の区域規制や路側帯の設置・拡幅を実施するとともに、その区域の道路交通の実態に応じた通行禁止等の交通規制の実施やハンプ(注)の設置等の対策により、区域内における速度を規制し、通過交通の抑制・排除を図るものであり、令和2年度末までに全国で4,031か所を整備した。

注:車両の低速走行等を促すための道路に設ける盛り上がり(凸部)

 
図表4-37 「ゾーン30」の整備イメージ
図表4-37 「ゾーン30」の整備イメージ

(2)バリアフリー対応型信号機等の整備の推進

警察では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、高齢者、障害者等が道路を安全に横断できるよう、音響により信号表示の状況を知らせる音響信号機、信号表示面に青時間までの待ち時間及び青時間の残り時間を表示する経過時間表示機能付き歩行者用灯器、歩行者等と車両が通行する時間を分離して交通事故を防止する歩車分離式信号等のバリアフリー対応型信号機を整備している。

また、自動車の前照灯の光を反射しやすい素材を用いるなどして見やすく分かりやすい道路標識・道路標示を整備するとともに、横断歩道上における視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるエスコートゾーンを整備している。

 
図表4-38 バリアフリー対応型信号機等
図表4-38 バリアフリー対応型信号機等

(3)自転車通行環境の確立

警察では、歩行者、自転車及び自動車のいずれも安全かつ適切に通行できるよう、道路管理者と連携して、自転車専用の走行空間(普通自転車専用通行帯及び自転車道)を整備するとともに、普通自転車の歩道通行を可能とする交通規制の実施場所の見直し(注)等を通じて自転車と歩行者の安全確保を図っている。

注:道路交通法では、普通自転車は車道通行が原則とされているところ、道路標識等により歩道通行を可能とする交通規制を実施することができるが、幅員3メートル未満の歩道においては、歩行者の通行量や保育施設等の存在といった沿道環境等を総合的に勘案し、当該交通規制を原則廃止する方針に基づく見直しを実施している。



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