第3章 組織犯罪対策
第1節 暴力団対策
1 暴力団情勢
(1)暴力団構成員及び準構成員等(注1)の推移
暴力団構成員及び準構成員等の過去10年間の推移は、図表3-1のとおりであり、その総数は平成17年(2005年)以降減少し、令和2年(2020年)末には、暴力団対策法が施行された平成4年以降最少となった。この背景としては、近年の暴力団排除活動の進展や暴力団犯罪の取締りに伴う資金獲得活動の困難化等により、暴力団からの構成員の離脱が進んだことなどが考えられる。
また、六代目山口組からの分裂組織を含む主要団体等(注2)の暴力団構成員及び準構成員等の総数に占める割合は、令和2年末も7割を超えており、寡占状態は継続している。
注1:暴力団構成員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの、又は暴力団若しくは暴力団構成員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するもの
注2:平成26年までは、六代目山口組、稲川会及び住吉会を「主要3団体」と、平成27年以降は、神戸山口組を含む4団体を「主要団体」と、平成30年以降は、絆會(きずなかい)(任侠(にんきょう)山口組から改称)を含む5団体を「主要団体等」という。

(2)暴力団の解散・壊滅
令和2年中に解散・壊滅した暴力団の数は134組織であり、これらに所属していた暴力団構成員の数は426人である。このうち主要団体等の傘下組織の数は99組織(73.9%)であり、これらに所属していた暴力団構成員の数は344人(80.8%)である。
(3)暴力団の指定
令和3年6月1日現在、暴力団対策法の規定に基づき24団体が指定暴力団として指定されている。令和2年中は6団体が、令和3年中は6月までに4団体がそれぞれ指定を受けた(注)。
注:令和2年中は浪川会、三代目俠道会、太州会、九代目酒梅組、極東会及び二代目東組が、令和3年中は2月に松葉会及び四代目福博会が、3月に絆會が、4月に関東関根組がそれぞれ指定を受けた。
