第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

第1節 犯罪情勢とその対策

我が国では、官民一体となった総合的な犯罪対策の推進や防犯機器の普及その他の様々な社会情勢の変化を背景に、平成15年(2003年)以降、刑法犯認知件数の総数に占める割合の大きい街頭犯罪(注1)及び侵入犯罪が一貫して減少しており、また、近年、刑法犯により死亡し、又は傷害を受けた者の数や財産犯の被害総額(注2)についても減少傾向にあるが、特殊詐欺の認知件数及び被害額については、依然として高い水準(注3)にあるなど、引き続き対策を進めていくことが必要な状況が認められる。

加えて、刑法犯認知件数という指標では必ずしも捉えられない情勢として、例えば、ストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の相談等件数及び検挙件数がいずれも高い水準で推移(注4)しているほか、児童虐待事件の検挙件数及び児童虐待の通告児童数についても増加傾向(注5)にある。また、サイバー空間における脅威は、近年、国内外で様々なサイバー犯罪、サイバー攻撃が発生している(注6)ことなどを踏まえると極めて深刻な情勢となっている。

こうしたことから、依然として厳しい犯罪情勢がうかがえる。

注1:39頁参照(特集3)

注2:90頁参照

注3:90頁参照

注4:77頁参照

注5:78頁参照

注6:19頁参照(特集2)

1 刑法犯

(1)刑法犯による身体的被害の状況

刑法犯により死亡し、又は傷害を受けた者の数の推移は、図表2-1のとおりである。平成15年以降、いずれの数も減少傾向にある。

 
図表2-1 刑法犯により死亡し、又は傷害を受けた者の数の推移(平成23年~令和2年(2020年))
図表2-1 刑法犯により死亡し、又は傷害を受けた者の数の推移(平成23年~令和2年(2020年))
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら

(2)重要犯罪(注)の認知・検挙状況

重要犯罪の認知・検挙状況の推移は、図表2-2のとおりである。令和2年中の重要犯罪の認知件数は、ピーク時である平成15年の2万3,971件と比べ1万5,036件(62.7%)減少した。検挙率は、平成25年以降は上昇傾向にあり、令和2年は93.7%であった。

注:殺人、強盗、強制性交等、強制わいせつ、放火、略取誘拐及び人身売買

 
図表2-2 重要犯罪の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-2 重要犯罪の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
① 殺人

殺人の認知・検挙状況の推移は、図表2-3のとおりである。

 
図表2-3 殺人の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-3 殺人の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
 
図表2-4 殺人の被疑者と被害者の関係別検挙状況(令和2年)
図表2-4 殺人の被疑者と被害者の関係別検挙状況(令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
 
図表2-5 親族間の殺人の被疑者と被害者の関係別検挙状況(令和2年)
図表2-5 親族間の殺人の被疑者と被害者の関係別検挙状況(令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
② 強盗

強盗の認知・検挙状況の推移は、図表2-6のとおりである。

 
図表2-6 強盗の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-6 強盗の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
 
図表2-7 強盗の手口別認知状況(令和2年)
図表2-7 強盗の手口別認知状況(令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
 
図表2-8 侵入強盗の手口別認知状況(令和2年)
図表2-8 侵入強盗の手口別認知状況(令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
③ 強制性交等・強制わいせつ

強制性交等の認知・検挙状況の推移は、図表2-9のとおりである。

また、強制わいせつの認知・検挙状況の推移は、図表2-10のとおりである。

 
図表2-9 強制性交等の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-9 強制性交等の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
 
図表2-10 強制わいせつの認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-10 強制わいせつの認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
④ 放火

放火の認知・検挙状況の推移は、図表2-11のとおりである。

 
図表2-11 放火の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-11 放火の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら
⑤ 略取誘拐・人身売買

略取誘拐・人身売買の認知・検挙状況の推移は、図表2-12のとおりである。略取誘拐・人身売買の認知件数を被害者の男女別でみると、女性が被害者である割合は、令和2年は81.9%であった。

 
図表2-12 略取誘拐・人身売買の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
図表2-12 略取誘拐・人身売買の認知・検挙状況の推移(平成23年~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら

(3)刑法犯の認知・検挙状況

刑法犯の認知・検挙状況の推移は、図表2-13のとおりである。

 
図表2-13 刑法犯の認知・検挙状況の推移(昭和23年(1948年)~令和2年)
図表2-13 刑法犯の認知・検挙状況の推移(昭和23年(1948年)~令和2年)
Excel形式のファイルはこちら、CSV形式のファイルはこちら


前の項目に戻る     次の項目に進む