特集 高齢化の進展と警察活動

3 認知症高齢者・要支援者対策

(1)認知症に係る行方不明者等への対策

令和元年中の認知症に係る行方不明者届の受理件数は1万7,479件であり、統計をとり始めた平成24年以降、増加を続けている。

令和元年6月18日に開催された認知症施策推進関係閣僚会議において取りまとめられた「認知症施策推進大綱」等を踏まえ、警察では、地域における認知症高齢者等の見守りネットワークの活用や、関係機関・団体等と緊密に連携した行方不明者発見活動を推進しているほか、認知症サポーター養成講座等の部外有識者による講習会や捜索訓練等を通じて、認知症の特性や認知症に係る行方不明者を発見した場合の対応要領等について、職員の理解を深める取組を行っている。

 
捜索訓練
捜索訓練
 
認知症サポーター養成講座
認知症サポーター養成講座
 
図表特1-21 認知症に係る行方不明届の受理件数の推移(平成27~令和元年)
図表特1-21 認知症に係る行方不明届の受理件数の推移(平成27~令和元年)
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(2)高齢者等に係る災害対応

警察では、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、自ら避難することが困難な高齢者等を含む地域住民の避難誘導や救出救助等に取り組んでいる。

CASE

令和元年10月、長野県警察は、長野県長野市内において、令和元年東日本台風(注)に伴う大雨の影響により浸水した地域を中心に、関係機関と連携して、市が把握していた特に支援を要する者について、その居宅を重点的に巡回するなど、取り残されている者がいないか確認に当たった。

注:185頁参照

 
居宅への巡回状況
居宅への巡回状況


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