第6章 公安の維持と災害対策

4 日本共産党の動向

(1)第28回党大会成功を目指す党勢拡大大運動

日本共産党は、党員と機関紙購読者の数が減少傾向にあり、近年、党勢拡大に力を入れている。同党は、令和元年9月、党員数が約28万人、機関紙購読者数が100万人を割り込んだと公表した上で、「第28回党大会(注)成功をめざす党勢拡大大運動」を提起し、令和2年1月末までに、平成29年の前回大会時(党員数約30万人、機関紙購読者数約113万人)を上回ることを目標に、党勢拡大に取り組むこととした。

注:日本共産党第28回大会は、令和2年1月14日から同月18日までの5日間開催され、同大会において、日本共産党綱領が一部改定された。

 
図表6-8 日本共産党の党員数及び機関紙購読者数の推移
図表6-8 日本共産党の党員数及び機関紙購読者数の推移
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(2)第25回参議院議員通常選挙での野党共闘

日本共産党は、国政選挙の選挙協力を中心とした野党共闘を推進し、野党連合政権の樹立を目指している。令和元年7月の第25回参議院議員通常選挙では、1人区での野党統一候補擁立の実現と、同選挙区での勝利を目標として掲げ、平成27年以降の過去2回の国政選挙(注1)と同様に、野党統一候補の擁立を優先し、自党の候補者を取り下げるなどした。

その結果、選挙区における野党統一候補は32の1人区全てに擁立されたが、獲得議席は10議席にとどまり、平成28年の第24回参議院議員通常選挙で獲得した11議席を下回った(注2)

日本共産党は、今回の選挙を通じた野党共闘について、「相互に支援しあう共闘に前進した」などと評価した。

注1:第24回参議院議員通常選挙(平成28年7月10日施行)及び第48回衆議院議員総選挙(平成29年10月22日施行)

注2:日本共産党は、第25回参議院議員通常選挙において、選挙区16人(無所属での立候補者2人を含む。)、比例代表26人の候補を擁立し、改選前比1議席減の7議席の獲得にとどまった。

(3)関係団体との連携

日本共産党は、将来の担い手である若者の獲得のため、原則として15歳から30歳までの者で構成される日本民主青年同盟(以下「民青」という。)の組織拡大を「共同の事業」と位置付け、民青に対する援助を強めている。民青は、令和元年11月、第43回全国大会を開催し、平成30年11月の前回大会以降、1,078人の同盟員を獲得したと公表した。この大会では、同党の志位和夫委員長が講演し、「一部改定案を含む日本共産党綱領を、学び、大いに語り、日本のたたかいを世界的視野にたって前進させる糧にしていただきたい」と呼び掛けた。

他方、日本共産党は、労働者への影響力の拡大に向け、同党の指導・援助により結成された全国労働組合総連合(以下「全労連」という。)との連携を図っている。平成31年1月、同党の小池書記局長は、全労連の年始行事である新春旗開きに出席し、「昨年、皆様の団結した力によって安倍改憲を提案させることは阻止しました」、「今年は一緒に、これを諦めさせる年にしていきましょう」などと訴え、憲法改正をめぐる問題における全労連との連携を強調した。また、全労連においても、同年7月の第58回評議員会において、平成30年の第29回定期大会で打ち出した憲法第9条の改正阻止の取組を強化するとの方針の継続を決定した。



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