第5章 安全かつ快適な交通の確保

2 道路交通環境の整備による歩行者等の安全通行の確保

(1)ゾーン30の整備の推進

警察では、市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するため、道路管理者と連携して、ゾーン30の整備を推進している。ゾーン30とは、区域(ゾーン)を設定して、最高速度30キロメートル毎時の区域規制や路側帯の設置・拡幅を実施するとともに、その区域の道路交通の実態に応じた通行禁止等の交通規制の実施やハンプ(注)の設置等の対策により、区域内における速度を規制し、通過交通の抑制・排除を図るものであり、令和元年度末までに全国で3,864か所を整備した。

注:車両の低速走行等を促すための道路に設ける盛り上がり(凸部)

 
図表5-31 「ゾーン30」の整備イメージ
図表5-31 「ゾーン30」の整備イメージ

MEMO 未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保

子供が犠牲となる事故等の発生を受け、令和元年6月、「昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議」において、「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」が決定された。警察では、幼稚園、保育所、認定こども園等のほか、その所管機関や道路管理者等と連携し、未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を実施するとともに、この結果を踏まえ、必要な対策を推進している。

また、可搬式速度違反自動取締装置を活用した取締りやゾーン30の入口での交通安全指導等を通じて子供の交通安全の確保に取り組んでいる。

 
可搬式速度違反自動取締装置を活用した交通指導取締り状況
可搬式速度違反自動取締装置を活用した交通指導取締り状況

(2)バリアフリー対応型信号機等の整備の推進

警察では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、高齢者、障害者等が道路を安全に横断できるよう、音響により信号表示の状況を知らせる音響式信号機、信号表示面に青時間までの待ち時間及び青時間の残り時間を表示する経過時間表示機能付き歩行者用灯器、歩行者等と車両が通行する時間を分離して交通事故を防止する歩車分離式信号等のバリアフリー対応型信号機を整備している。

また、自動車の前照灯の光を反射しやすい素材を用いるなどして見やすく分かりやすい道路標識・道路標示を整備するとともに、横断歩道上における視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるエスコートゾーンを整備している。

 
図表5-32 バリアフリー対応型信号機等
図表5-32 バリアフリー対応型信号機等


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