第6章 公安の維持

警察活動の最前線

市民目線の雑踏警備


広島県警察本部地域部地域課指導係

渡辺 隆明(わたなべ たかあき) 警部補

 
メイプル君

雑踏警備業務は、市民の利便を尊重しつつ、雑踏による混乱を適切に整理して、事故を未然に防ぐことを目的とします。当県では、「ひろしまフラワーフェスティバル」をはじめ、年間を通じて数多くのイベントが開催されており、私は雑踏警備業務担当者として、市民が安全かつ安心してイベントを楽しめるよう、「市民目線」をモットーに日々雑踏警備業務に当たっています。

特に近年「カープ女子」という言葉が全国的に有名になりましたが、広島県内では広島東洋カープに関連する雑踏警備が多く実施されています。

リーグ優勝時等には、数多くのファンが繁華街に集まり喜びを分かち合うなど、主催者のいない雑踏警備となります。この場合、事案の発生が予測しにくいことから、実態調査が欠かせません。当日は実際に街に出て、自らの肌で現場の空気を感じ、市民と同じ目線で周囲を見ることにより、雑踏の変化を見逃すことのないようにしています。

雑踏警備は市民の安全と安心のためにあります。私が実践する「市民目線」の雑踏警備も、単に市民に都合が良いということではなく、市民の安全を確保し、市民が安心を実感できることに意義があると考えます。私は、たくさんの方が広島県のイベントを訪れ、幸せな気持ちで帰ってもらえるよう、これからも日々研鑽に努め、雑踏事故の絶無を期す所存です。

 
左が本人
左が本人

儀仗勤務について


皇宮警察本部坂下護衛署警備課第一班

菊地 洋輝(きくち ひろき) 巡査長皇宮巡査

 
皇宮警察 エンブレム

約3万人を超える参賀者の大歓声。日の丸の小旗が激しく振られ、中には涙を流している姿も視界に入り、言葉では言い表せない国民の皇室に向けられた熱い思いが押し寄せてきます。

私は、毎年1月2日、皇居において天皇皇后両陛下及び皇族方が宮殿のベランダにお出ましになり、直接国民からの祝賀をお受けになる新年一般参賀において、儀仗隊の一員として勤務しています。

儀仗勤務とは、国事行為に関する儀式をはじめ国賓の接遇等に際し、儀容を整え、威儀を正して護衛警備に当たる勤務で、勤務中は、一糸乱れぬ各個動作、歩調により、宮殿南車寄等の左右に分かれて配置に就き、一定時間、直立不動の姿勢を取り続けながらも、いざという時には瞬時に対応できるよう、全神経を研ぎ澄ませておく必要があります。そのため、日頃から厳しい訓練を積み重ね、また、体調管理にも気を配っています。

本年春には、天皇陛下の御即位に伴う儀式等が皇居で執り行われました。憧れの皇宮護衛官となって3年、このような歴史的瞬間に携わることができた喜びと誇りを胸に、皇室守護の重責を果たすため、今後も全力を尽くしていきたいと思います。

 
皇宮警察本部坂下護衛署警備課第一班 菊地 洋輝(きくち ひろき) 巡査長皇宮巡査

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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