第5章 安全かつ快適な交通の確保

警察活動の最前線

信号機の適正管理


青森県警察本部交通部交通規制課安全施設係

戸来 和人(へらい かずと) 警部補

 
アピーくん

平成29年に現在の所属に異動した際、青森県の信号機の約3割が更新時期を経過し、また、年々更新時期を過ぎた信号機が増加の一途をたどっているという厳しい現状を知りました。さらには、老朽化による灯火異常や柱の倒壊等、各地で信号機そのものが円滑な交通を阻害している状況から、必要性が低減した信号機の撤去及び信号機の総数の適正管理の重要性を認識しました。

私は、信号機の撤去に関して最も大切なのは、撤去を行った後の安全性について説明を行うなどして自治体や地域住民の不安や抵抗感を払拭することと考えています。

信号機を撤去する際には、警察から地域住民に対して撤去の必要性や一時停止の交通規制での対応等について説明会を行いますが、私はその説明会に積極的に赴き、熱意を持って説明しています。

ある説明会で「村に1つしかない信号機を取る気か!事故が起きたら誰が責任をとるんだ」と猛反対されたことがありました。その際、私自身も「本当に撤去して大丈夫か」と不安に陥り、眠れない日々を過ごしたこともありましたが、中には「無駄な待ち時間が無くなって良かった」と感謝してくださる方もおり、そのような声が私の背中を押し、意欲的に取り組むことができました。

信号機の撤去について、少しでも多くの利用者に理解していただいた上で青森県の安全な交通社会を実現するため、引き続き日々の業務に取り組んでいきたいと思います。

 
青森県警察本部交通部交通規制課安全施設係 戸来 和人(へらい かずと) 警部補

運転免許行政に携わる作業療法士として


神奈川県警察本部交通部運転免許本部運転教育課適性審査係

白岩 淑子(しらいわ ひでこ) 非常勤職員

 
ピーガルくん

私は、以前は作業療法士として病院で勤務をしていましたが、現在、神奈川県警察の非常勤職員として、運転適性相談等に携わっています。

作業療法士として病院に勤務していた頃には、医師の指示の下、脳卒中などを発症した後、障害が残っていても運転免許の取得や更新を希望される方に対し、認知機能を含む身体機能の検査、運転シミュレーターを用いた運転方法の評価・指導を行っていました。

神奈川県警察に採用され、運転教育課に配置となった当初は、「警察組織になじめるだろうか」との不安もありましたが、同僚に温かく迎えてもらい、今では、病院で医師と作業療法士が連携するように、同僚とチームを組んで運転適性相談等を行っています。

現在、私が勤務する運転免許センターには、多くの方が病後の運転適性相談のためにいらっしゃいますが、私は、その相談を受ける際に、相談者の病状経過を考慮するとともに、障害の内容を把握するようにしており、また、相談者の様子から高次脳機能障害が疑われる場合には、補足的な確認も行っています。相談者からは「体のことに詳しい方がいてくれて安心だ」との言葉を頂いたこともあり、経験が役立ったと嬉しく思いました。

運転は、一瞬の操作の誤りが重大事故につながるものであり、相談者が安全に運転できるか慎重に判断しなければなりません。私が今担当している業務は、相談者が正しい認知・判断をすることができ、それに基づく運転操作を円滑に行うことができるかを評価するものであり、重大事故を未然に防ぐ重要な役割を担うことから、今後も交通事故防止に貢献できるよう、同僚と協力して業務に取り組んでいきたいと思います。

 
神奈川県警察本部交通部運転免許本部運転教育課適性審査係 白岩 淑子(しらいわ ひでこ) 非常勤職員

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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