第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

6 国民の健康を害する事犯への対策

(1)保健衛生事犯(注)対策

保健衛生事犯の検挙状況の推移は、図表2-49のとおりである。

警察では、厚生労働大臣の承認を得ていない医薬品(以下「無承認医薬品」という。)を広告・販売するなどの医薬品医療機器法違反、診療所の無許可開設等の医療法違反、無資格で美容施術を行う美容師法違反等の国民の健康被害に直結する保健衛生事犯の取締りを行っている。

無承認医薬品の広告・販売事犯については、近年、国外を仕出地とするものが全体の半数前後を占めている上、インターネットを利用して広告・販売を行っているものも多いことから、外国捜査機関等に対し情報を提供し、ウェブサイトの削除を要請するなどしている。

注:薬事関係事犯(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器法」という。)違反、薬剤師法違反等)、医事関係事犯(医師法違反、歯科医師法違反等)及び公衆衛生関係事犯(食品衛生法違反、狂犬病予防法違反等)

 
図表2-49 保健衛生事犯の検挙状況の推移(平成26~30年)
図表2-49 保健衛生事犯の検挙状況の推移(平成26~30年)
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CASE

自称輸出販売業の男(44)らは、平成30年1月から同年2月にかけて、勃起不全治療剤を模し、医薬品を含有し、かつ、登録商標と類似する商標を付した錠剤約3万錠を販売の目的で貯蔵し、さらに、それを販売した。また、同男は、同年1月、中国から、商標権を侵害する錠剤約7万錠を輸入しようとした。同年6月までに、同男ら6人を医薬品医療機器法違反(模造医薬品の販売目的貯蔵)等で検挙した(愛知)。

(2)食の安全に係る事犯(注)対策

食の安全に係る事犯の検挙状況の推移は、図表2-50のとおりであり、平成30年中は、外国産アサリを国産であるかのように表記して納品するなど、原産地を偽装した事犯等がみられた。

警察では、食の安全に係る事犯の取締りを推進するとともに、関係機関との連携の強化に努めている。

注:食品衛生関係事犯(食品衛生法違反等)及び食品の産地等偽装表示事犯(不正競争防止法違反等)

 
図表2-50 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成21~30年)
図表2-50 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成21~30年)
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