第7章 警察活動の支え

警察活動の最前線

女性の視点に立って


兵庫県警察本部警務部教養課術科指導係

村山 香織(むらやま かおり) 警部補

 
こうへいくん まもりちゃん
こうへいくん まもりちゃん

現在、交番等の常に危険と隣り合わせとなる最前線で活躍する女性警察官が増えており、当県警でも、27か所の交番が女性警察官の勤務する「レディースサポート交番」として指定されています。

私は、術科訓練の指導者として、警察署を巡回して剣道の指導を行っているほか、交番で勤務する女性警察官に対し、職務執行力の強化、受傷事故の防止等を目的として、実際の事案を想定した逮捕術の指導を行っています。

また、一般の女性を対象として警察署が主催する護身術教室にも指導者として参加しています。まずは犯罪被害に遭わないように気を付けることが一番ですが、万が一犯罪被害に遭ってしまったとき、とっさに対応して犯人をひるませ、その場から逃げることができるよう、自分の身を護る術を少しでも伝えたいという思いで指導に当たっています。

受講者からは、「来てよかった。次回も参加したい」「友達にも教えてあげたい」といった言葉を頂いて非常にやりがいを感じますし、このような機会を増やすことで、犯罪予防にもつなげていきたいと思っています。

これからも、女性の視点に立って訓練内容を工夫しながら、精強な警察官の育成と、女性が安心して暮らせる社会の実現に向けて頑張っていきます。

 
中央が本人
中央が本人

留置担当官として


秋田県秋田臨港警察署警務課留置管理係(現 同署交通課交通指導係)

内藤 芙希(ないとう ふき) 巡査長

 
まもるくん あいちゃん
まもるくん あいちゃん

留置管理係の仕事は、事件を検挙する捜査部門のように成果を挙げて周囲から注目されることは少なく、警察業務の中でも目立たない仕事の一つです。

しかし、私たちが相対する被留置者は、自らの身体を傷つけて命さえも絶とうとする者、留置担当官に無理難題を要求する者、留置担当官の揚げ足を取ろうとする者等、様々な者がおり、常に緊張感を持って勤務しなければなりません。

留置施設では、体調不良を訴える者や、悩みを抱え込んでしまう者もおり、拘置所等への移送や釈放までの間、被留置者の心身に事故を生じさせないことがいかに難しく、重要なことであるかを実感しています。

ある晩、被留置者が着衣を首に巻いて自ら首を絞めようとしたことがありましたが、他の勤務員と一体となって迅速に対処したため、自傷行為を未然に防止することができました。被留置者による危険な行動を防ぐためには、被留置者と最も長時間接している留置担当官だからこそ気付くことができる僅かな変化を見逃さない、という基本原則の重要性を改めて認識した事案でした。

今後も、他の勤務員と情報共有を図るなど、被留置者に対する適切な処遇と事故防止に万全を尽くしていきたいと思います。

 
秋田県秋田臨港警察署警務課留置管理係(現 同署交通課交通指導係) 内藤 芙希(ないとう ふき) 巡査長

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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