6 研究機関の活動
(1)警察政策研究センター
警察大学校に置かれている警察政策研究センターは、様々な治安上の課題に関する調査研究を進め、政策提言を行うとともに、警察と国内外の研究者等との交流の拠点として活動している。
① フォーラムの開催
関係機関・団体等と連携し、国内外の研究者・実務家を交えて社会安全等に関するフォーラムを開催している。
フォーラムの開催
② 大学関係者との共同研究の推進
大学関係者と共同して研究活動を行っている。これまでに、例えば、慶應義塾大学大学院法学研究科との間で、テロ等の各種治安事象への対策を講ずるに当たり、憲法学的見地から、国民の自由と安全をいかにバランスよく保障していくかについて共同研究を行っている。
③ 大学・大学院における講義の実施
警察政策に関する研究の発展及び普及のため、東京大学公共政策大学院、一橋大学国際・公共政策大学院、早稲田大学法科大学院、中央大学法科大学院、首都大学東京都市教養学部、法政大学法学部等に職員を講師として派遣している。
大学・大学院での講義(首都大)
④ 警察に関する国際的な学術交流
海外で開催される国際的な学術会議に参加し、日本警察に関する情報発信を行っている。また、韓国警察大学治安政策研究所、フランス高等治安・司法研究所、フランス・トゥールーズ第一社会科学大学警察学研究センター及びドイツ・フライブルク大学安全・社会センターとの間で協定を締結し、警察に関する国際的な学術交流を実施している。
事例
27年9月、協定を締結しているフランス・トゥールーズ第一社会科学大学教授の訪問を受け、日仏両国のテロ対策等について意見交換するなど協力関係を深めた。
事例
27年12月、公益財団法人日工組社会安全研究財団との共催により、都内において「サイバー空間の安全の確保に向けて」をテーマとするフォーラムを開催した。大学教授、警察庁職員等がパネリストとして参加し、活発に意見交換した。
(2)警察情報通信研究センター
警察大学校に置かれている警察情報通信研究センターでは、警察活動に関わる情報通信技術について研究しており、その成果は、犯罪捜査の効率化や警察における情報通信システムの整備に活用されている。
研究例 画像処理技術に関する研究
犯罪捜査等の効率化のため、防犯カメラ等に記録された低照度・低画質な画像の鮮明化技術、多数の画像から人物や車両等を識別し画像を効率的に解析する技術、画像から人物等を特定する識別技術等の画像処理に関する技術の研究を行っている。
画像の解析の状況
(3)科学警察研究所
各分野の専門的知識・技術を有する研究員が、科学捜査、犯罪防止、交通事故防止等についての研究・開発を行うとともに、都道府県警察の鑑定技術職員に対する研修を行っている。
また、都道府県警察からの依頼により、事件、事故等に係る鑑定・検査を実施している。