第5章 安全かつ快適な交通の確保

2 子供及び高齢者の安全確保

(1)子供の交通安全に向けた取組

① 子供が関係する交通事故の状況 

平成27年中の15歳以下の子供の交通事故死者数は80人であり、これを状態別にみると、歩行中が約5割、自転車乗用中が約2割を占めている。このうち、歩行中の死者を年齢層別にみると、6歳以下が6割以上を占めている。

また、15歳以下の子供の人口10万人当たり死者数の推移をみると、全年齢層に比べて減少率が大きい。

 
図表5-9 15歳以下の人口10万人当たり死者数の推移(平成18~27年)
図表5-9 15歳以下の人口10万人当たり死者数の推移(平成18~27年)
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② 子供の事故防止対策

幼児に対しては、交通ルールや交通マナー等道路の安全な通行に必要な基本的知識・技能を習得させるため、幼稚園・保育所等及び保護者等と連携して紙芝居等の視聴覚教材を活用した交通安全教室等を実施している。小学生及び中学生に対しては、歩行者及び自転車利用者として必要な知識・技能を習得させ、自己の安全だけでなく他人の安全にも配意できるようにするため、学校、PTA等と連携した自転車教室等を実施している。

また、警察では、通学路の定期的な合同点検等の結果を踏まえ、警察による対策が必要な箇所において、教育委員会、学校、道路管理者等と連携し、信号機や横断歩道の設置等による道路交通環境の整備、通学路の危険箇所を取り上げた具体的な交通安全教育等を推進している。

(2)高齢者の交通安全に向けた取組

① 高齢者が関係する交通事故の状況 

平成27年中の高齢者(注1)の交通事故死者数は2,247人であり、これを状態別にみると、歩行中が約5割、自動車乗車中が約3割、自転車乗用中が約2割を占めている。また、歩行中・自転車乗用中の死者のうち、7割以上は運転免許を保有していなかった。

さらに、横断歩行中の高齢者の死者のうち、約6割に法令違反があり、他の年齢層と比較して走行車両の直前直後横断が特に多い。

注:65歳以上の者
 
図表5-10 高齢者の交通事故死者に占める状態別割合(平成27年)
図表5-10 高齢者の交通事故死者に占める状態別割合(平成27年)
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② 高齢者の事故防止対策

警察では、運転免許を保有していない高齢者に交通安全教育を受ける機会を提供するため、関係機関・団体等と協力し、交通事故が多発している交差点等における交通ルールの遵守を呼び掛ける指導や医療機関、福祉施設等における広報啓発活動を行うほか、シミュレーター等の各種教育用器材を積極的に活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を実施している。また、交通事故の多い薄暮時間帯における高齢者の保護・誘導活動、明るい目立つ色の衣服の着用や反射材用品等の普及促進を行っている。

このほか、交通環境の整備による高齢者の安全確保(注1)や高齢運転者対策の充実(注2)に向けた取組を推進している。

注1:174頁参照
注2:169頁参照
 
参加・体験・実践型の交通安全教育
参加・体験・実践型の交通安全教育


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