第4章 組織犯罪対策

3 銃器情勢とその対策

(1)銃器情勢

平成27年中に発生した銃器使用事件(注1)は110件と、前年より37件(25.2%)減少した。このうち、銃器発砲事件(注2)は8件、その他の銃器使用事件(過失による発砲に係るもの及び発砲を伴わないもの)は102件であった。銃器発砲事件による死傷者数は近年減少傾向にあるものの、暴力団等によるとみられるものが多数を占める傾向が続いており、また繁華街や住宅街における拳銃を使用した凶悪な犯罪も依然として発生していることから、引き続き警戒が必要である。

注1:銃砲及び銃砲様の物を使用した事件。「銃砲」とは、「けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃」(銃刀法第2条第1項)をいう。「銃砲様の物」とは、銃砲らしい物を突き付け、見せるなどして犯行に及んだ事件において、被害者、参考人等の供述等により、銃砲と推定されるものをいう。
注2:銃砲を使用して金属性弾丸を発射することにより、人の死傷、物の損壊等の損害が発生したもの及びそのおそれがあったものをいう(過失及び自殺を除く。)。
 
図表4-13 銃器発砲事件の発生状況の推移(平成18~27年)
図表4-13 銃器発砲事件の発生状況の推移(平成18~27年)
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図表4-14 銃器発砲事件による死傷者数の推移(平成18~27年)
図表4-14 銃器発砲事件による死傷者数の推移(平成18~27年)
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(2)銃器対策

警察では、犯罪組織の武器庫の摘発や拳銃の密輸・密売事件等の摘発に重点を置いた取締りを行うとともに、関係機関・団体と連携した活動等により、銃器犯罪の根絶と違法銃器の排除を広く国民に呼び掛け、国民の理解と協力の確保に努めるなど、総合的な銃器対策を推進している。

拳銃の押収丁数の推移は、図表4-15のとおりである。近年、全押収丁数に占める暴力団からの押収丁数(注)の割合は、減少傾向にある。その背景には、暴力団の組織防衛の強化による情報収集の困難化や、拳銃の隠匿方法の巧妙化等があるものと考えられる。

注:暴力団が管理している拳銃と認められるものの押収丁数
 
図表4-15 拳銃押収丁数の推移(平成18~27年)
図表4-15 拳銃押収丁数の推移(平成18~27年)
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図表4-16 暴力団からの押収丁数の割合の推移(平成18~27年)
図表4-16 暴力団からの押収丁数の割合の推移(平成18~27年)
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