特集 組織犯罪対策の歩みと展望

第2節 組織犯罪対策の経緯と現状

1 暴力団対策

警察では、社会経済情勢の変化にも留意しつつ、暴力団対策法の効果的な運用、戦略的な取締り及び総合的な暴力団排除活動を推進している。また、銃器、特に拳銃は、暴力団にとってその力を象徴する強力な武器であり、銃器を使用した凶悪な暴力団犯罪も発生していることから、併せて総合的な銃器対策を推進している。

(1)暴力団対策法の改正経緯及び同法の効果的な運用

① 暴力団対策法の改正経緯

民事介入暴力を始めとする暴力団の不当な資金獲得活動や対立抗争事件その他暴力団員の不当な行為への効果的な対策が強く求められた社会情勢を背景に、平成3年、暴力団対策法が制定され、4年3月から施行された。これにより、同法に基づき指定された暴力団(指定暴力団)の暴力団員が行う暴力的要求行為(注)の規制のほか、対立抗争事件に伴う暴力団事務所の使用の制限、少年に対する加入強要の禁止等、暴力団の活動を多面的に抑止することが可能となり、我が国の暴力団対策は大きく前進した。

暴力団対策法は、その後の暴力団情勢の変化等を踏まえ、これまでに、5年、9年、16年、20年及び24年の5回にわたって改正された。中でも、20年改正、24年改正等で行われた暴力的要求行為として規制する行為の追加は、暴力団の威力を示した資金獲得活動の防止に一定の効果を上げ、16年改正及び20年改正において整備された指定暴力団の代表者等の損害賠償責任に関する規定は、指定暴力団の組長等に対する損害賠償責任の追及を容易にした。また、24年改正で導入された特定抗争指定暴力団等の指定及び特定危険指定暴力団等の指定の制度は、対立抗争事件及び事業者襲撃等事件の抑止に寄与した。

注:指定暴力団の暴力団員が指定暴力団の威力を示して行う不当な金品等の要求行為
 
図表-37 暴力団対策法の概要
図表-37 暴力団対策法の概要
② 暴力団対策法の効果的な運用

指定暴力団員がその所属する暴力団の威力を示して暴力的要求行為等を行った場合等において、都道府県公安委員会は、暴力団対策法に基づき、中止命令等を発出することができる。

中止命令等の発出件数は図表-38のとおり近年減少傾向にあり、暴力団がその威力をあからさまに示して行う資金獲得活動が困難化し、その活動を変化させていることがうかがわれる。

 
図表-38 暴力団対策法に基づく中止命令等の発出件数の推移(平成22~26年)
図表-38 暴力団対策法に基づく中止命令等の発出件数の推移(平成22~26年)
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事例

山口組傘下組織幹部(46)らは、縄張内に所在する飲食店の経営者から、客の飲食代等の取立てを依頼され、同客に対し、「支払うもんは支払っとけ」などと告げて飲食代等を支払わせ、用心棒の役務を提供した。26年5月、福井県公安委員会は、同幹部らに対し、同経営者等のために用心棒の役務を提供することなどをしてはならない旨を命じた。

コラム 特定抗争指定暴力団等の指定の活用による対立抗争の抑止

平成18年、組長の継承をめぐる争いから道仁会と九州誠道会(現・浪川睦会)との対立抗争が発生し、この対立抗争に起因する拳銃発砲等の不法行為が相次いで発生したが、福岡県、佐賀県、長崎県及び熊本県の各公安委員会が、24年12月、道仁会及び九州誠道会を特定抗争指定暴力団等として指定(3か月ごとの延長により26年6月まで継続)して以降、九州北部における対立抗争事件は発生していない。

(2)戦略的な取締り

警察では、暴力団の壊滅に向け、その組織基盤及び資金獲得活動に対して打撃を与えるための戦略的な取締りを推進している。特に、凶暴性・悪質性の高い暴力団や、勢力の大きい暴力団に対して、組織を挙げた強力な取締りを徹底している。

① 工藤會対策

工藤會は、福岡県北九州市に主たる事務所を置く指定暴力団で、過去に凶器等を用いた事業者襲撃等事件を多数敢行している団体であり、事業者はもとより、市民生活に対しても大きな脅威となっている。警察では、

・ 各部門から動員した捜査員等の北九州地区への集中的な投入

・ 全国警察からの機動隊及び捜査員の派遣

・ 暴力団捜査等を行う警察官の増員

・ 監視カメラ等の装備資機材の充実強化

等の対策を行い、集中的な取締りの徹底及び警戒活動の強化を図るとともに、平成24年12月には、福岡県及び山口県の各公安委員会が、工藤會を特定危険指定暴力団等として指定するなど、暴力団対策法の規定も効果的に活用しながら、工藤會対策を推進してきた。

26年9月及び同年10月には、工藤會総裁、同会長等の幹部を逮捕し、同年11月から27年2月にかけて、福岡県公安委員会が工藤會の合計5か所の事務所に対し、特定危険指定暴力団等の事務所使用制限命令を発出した。また、同年3月には工藤會幹部ら2名に対し、賞揚等禁止命令を発出したところであり、今後も、取締りの徹底、暴力団対策法の活用等を通じて、工藤會の危険な活動の抑止を図っていくこととしている。

事例

工藤會総裁(67)及び同会長(58)は、配下の組員らと共謀して、10年2月、元団体役員を殺害した。26年9月、同総裁及び同会長を殺人罪等で逮捕した(福岡)。

事例

工藤會総裁(67)及び同会長(58)らは、25年1月、組織の活動として、殺意をもって、看護師の女性を刃物で数回突き刺すなどし、顔面、右腕等に傷害を負わせた。26年9月から同年10月までに、同総裁及び同会長ら16人を組織的犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)で逮捕した(福岡)。

 
工藤會による拳銃を使用した事業者襲撃等事件の現場
工藤會による拳銃を使用した事業者襲撃等事件の現場
 
工藤會事務所に対する捜索時の状況
工藤會事務所に対する捜索時の状況

コラム 暴力団対策への思い

福岡県公安委員会委員長 藤本 昭

昨年、福岡県警察は、特定危険指定暴力団の幹部等を検挙するなど、見事な成果を収めることができましたが、暴力団対策については、私たち公安委員会も相当の注意を払っておりました。特定抗争指定暴力団については、むしろ指定を解除するに当たり、いかにして抗争地域の住民の方々の不安感を取り除き、納得してもらえるかに心を砕きました。また、特定危険指定暴力団については、指定後も、市民の命を守るためにほかにどのようなことができるのか各委員と考えをめぐらせていました。そうした中で、警察の尽力により、最高幹部等を検挙し起訴に至らしめ、さらに事務所使用制限命令を行うなど、特定危険指定の規定を活用した対策を進めることができました。今年は暴力団対策の正念場だと考えます。県民の警察に対する真の信頼を得るためにも、福岡県警察には、地に足の着いた活動を行って欲しいと思います。私たち公安委員会も課せられた役割を果たし、併せて、福岡県警察の不退転の決意で臨む姿を県民の方々にお知らせし、警察活動を行いやすい環境づくりに努めてまいります。

② 山口組・弘道会対策
ア 山口組・弘道会の概要

山口組は、日本最大の暴力団で、その暴力団構成員及び準構成員等の数が多いことに加え、多くの暴力団と友誼関係(注1)等を構築することにより、大半の暴力団に影響を及ぼし得る地位を獲得している。

山口組の傘下組織の一つである弘道会は、現在の山口組組長が昭和59年に立ち上げた組織で、主たる事務所は愛知県名古屋市にある。現在の山口組は、組長が弘道会の初代会長、若頭(注2)が弘道会の二代目会長となっており、弘道会が山口組の主要な地位を押さえている状況にある(注3)

注1:他団体との間で、首領、幹部同士が擬制的血縁関係を結び、義兄弟になるなどして作り上げられる関係
注2:一般に、組長等の代表者以外で組織の運営を支配する地位にある者の筆頭者
注3:暴力団においては、傘下組織の組長等が同時に上位組織の幹部となっている状況がみられる。
イ 山口組・弘道会集中取締り等対策の推進

暴力団対策上、一極集中状態にある山口組の弱体化が急務であり、そのためには、山口組の強大化を支える弘道会の弱体化を図ることが不可欠である。警察では、組織を挙げて山口組・弘道会、その傘下組織及び関係企業・共生者に対する取締り等を推進しており、平成26年中は、山口組直系組長14人、弘道会直系組長等11人、弘道会直系組織幹部30人を検挙した。また、22年に恐喝罪で逮捕した山口組若頭(当時山口組弘道会会長)について、懲役6年の刑が確定し、長期的に社会から隔離されることとなるなど、一定の成果がみられる。しかしながら、山口組・弘道会は、依然として大きな勢力を有し、活発に活動を続けていることから、今後もあらゆる法令を駆使し、集中した取締りを継続していく。

 
山口組事務所に対する捜索時の状況
山口組事務所に対する捜索時の状況
 
山口組による放火事件の現場
山口組による放火事件の現場

事例

山口組弘道会会長(63)らは、17年7月から18年12月までの間、建設業の男性に因縁を付け、同人に対して「面倒を見るお代としてみかじめを持ってきてほしい」などと申し向け、現金合計4,000万円を喝取した。21年12月から22年11月までに、同会長ら4人を恐喝罪で逮捕した(京都)。

事例

風俗店経営企業の実質的経営者(55)らは、22年7月から同年8月までの間、弘道会捜査を担当する警察官に対して「まだ○○の捜査はやっているんでしょ」、「かわいい××ちゃん(同警察官の娘)がどうなっても知らないよ」などと電話をかけ、脅迫した。25年1月、同経営者ら3人を脅迫罪で逮捕した(愛知)。

(3)総合的な暴力団排除活動

暴力団の弱体化・壊滅は、警察による努力のみでは成し遂げられず、社会における暴力団排除活動が不可欠であることから、警察では、関係機関・団体等と緊密に連携しながら、総合的な暴力団排除活動を推進している。

特に、過去10年間においては、平成19年6月に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ。以下「企業指針」という。)(注)が決定されたほか、23年10月までに全都道府県で暴力団排除に関する条例が施行されるなど、社会における暴力団排除活動が大きく進展し、暴力団排除の気運はかつてないほど高まっている。

注:企業が反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応について取りまとめたもの
① 国及び地方公共団体における暴力団排除活動

国及び地方公共団体は、21年12月、犯罪対策閣僚会議の下に設置された暴力団取締り等総合対策ワーキングチーム(以下「ワーキングチーム」という。)における申合せ等に基づき、警察と連携して、受注業者の指名基準や契約書に暴力団排除条項(注)(下請契約、再委託契約等に係るものを含む。)を盛り込むほか、受注業者に対して、暴力団員等に不当に介入された場合の警察への通報等を義務付けるなどの取組を推進している。また、民間工事等に関係する業界及び独立行政法人に対しても同様の取組が推進されるよう所要の指導・要請を行っている。

注:法令、規約及び契約書等に設けられている条項であって、許可を取得する者、事務の委託の相手方、契約等の取引の相手方等から暴力団員等の暴力団関係者又は暴力団関係企業を排除する旨を規定する条項
② 各種事業・取引等からの暴力団排除
ア 各種事業における暴力団排除

近年、各種事業から暴力団関係企業等を排除するため、法令等において暴力団排除条項の整備が進んでおり、警察では、暴力団の資金源を遮断するため、関係機関・団体と連携して、貸金業、建設業等の各種事業からの暴力団排除を推進している。

事例

長野県からの照会に基づき、産業廃棄物処分業許可の申請業者を調査したところ、山口組傘下組織構成員が実質的に事業活動を支配していることが判明した。25年5月、警察からの回答を受け、同県は同業者の申請を不許可とするとともに、同業者が既に取得していた産業廃棄物収集運搬業の許可を取り消した(長野)。

イ 各種取引における暴力団排除

近年、暴力団の資金獲得活動が巧妙化・不透明化していることから、企業が、取引先が暴力団関係企業等であると気付かずに経済取引を行ってしまうことを防ぐため、企業指針及び22年12月のワーキングチームにおける申合せに基づき、警察では関係機関・団体と連携を強化し、各種取引における暴力団排除を推進している。

証券業界においては、25年1月に警察庁の暴力団情報データベースと日本証券業協会の反社会的勢力データベースを接続し、顧客が暴力団員等に該当するかについて、同協会の会員となっている証券会社からの照会に応じるシステムの運用を開始するなど、証券取引からの暴力団等反社会的勢力の排除を推進している。

③ 地域住民等による暴力団排除活動

警察では、暴追センター及び弁護士会と緊密に連携し、事務所撤去訴訟に対する支援を実施するなどして、地域住民等による暴力団排除活動を支援している。

また、24年に改正された暴力団対策法により、国家公安委員会から適格暴追センターとして認定を受けた暴追センターが、暴力団事務所の付近住民から委託を受けて、自己の名をもって事務所使用差止請求を行うことができることとなった。26年7月までに、全ての都道府県の暴追センターが適格暴追センターとしての認定を受けた。

さらに、警察では、暴追センター及び弁護士会と緊密に連携し、暴力団対策法における指定暴力団の代表者等の損害賠償責任に関する規定も効果的に活用しながら、暴力団犯罪に係る損害賠償請求訴訟に対する支援を実施するなどして、暴力団の不当要求による被害の防止、暴力団からの被害の救済等に努めている。

 
暴力団追放パレード
暴力団追放パレード
 
図表-39 適格暴追センター制度の概要
図表-39 適格暴追センター制度の概要

事例

25年10月に適格暴追センターとして認定を受けた公益財団法人暴力追放広島県民会議が、26年2月、共政会傘下組織組長に対し、全国で初めて、自己の名をもって事務所使用差止請求訴訟を提起した。27年1月、今後同所を暴力団事務所として使用しない旨の和解が成立した(広島)。

コラム 暴力団排除活動関係者の意識

警察と連携して暴力団排除活動に関わる人達からは、近年における暴力団排除活動の進展について、次のような声が聞かれた。

・ 暴力団排除活動が進展し、暴力団が活動しにくい世の中になってきていると思う。

・ 「社会対暴力団」という構図が浸透してきたと思う。

・ 市民の間にも、暴力団排除活動を進めやすい環境が広がってきたと思う。

コラム 社会情勢に応じた暴力団排除活動

警察では、その時々の社会情勢に応じ、暴力団の介入のおそれがある事業において、関係機関・団体との連携を強化し、暴力団の介入を阻止するための取組を推進している。

近年では、東日本大震災の復旧・復興事業に関し、暴力団が介入し、資金獲得活動を展開するおそれがあることから、関係県警察等が参加する暴力団排除対策推進会議を開催するとともに、関係機関・団体に対し、暴力団排除連絡協議会の設置を通じた警察との情報共有等を要請するなどの取組を通じ、暴力団排除を推進している。

また、今後、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の関連施設整備等の本格的な開始が見込まれることから、警察では、社会情勢の変化を見極めつつ、関係機関・団体と緊密に連携して、各種事業からの暴力団排除を推進することとしている。

④ 地方公共団体における暴力団排除に関する条例の制定・施行

地方公共団体、住民、事業者等が連携・協力して暴力団排除に取り組む旨を定め、暴力団排除に関する基本的な施策、青少年に対する暴力団からの悪影響排除のための措置、暴力団の利益になるような行為の禁止等を主な内容とする暴力団排除に関する条例が、23年10月までに全都道府県で施行された。

条例には、各都道府県の暴力団情勢等に応じて、

・ 事業者による暴力団員等に対する利益供与の禁止

・ 暴力団事務所に使用しないことの確認や契約書への暴力団排除条項の導入等不動産の譲渡等をしようとする者の講ずべき措置

・ 学校等の周辺200メートルの区域における暴力団事務所の新規開設・運営の禁止

等の規定が盛り込まれている。

各都道府県では、条例に基づき、暴力団の威力を利用する目的で財産上の利益の供与をしてはならない旨の勧告等を実施しており、26年中における実施件数は、勧告が51件、中止命令が7件、検挙が5件となっている。

事例

露天商を営む事業者(43)は、暴力団の威力を利用する目的で、山口組傘下組織組長(43)らに現金を供与していた。26年3月、愛知県公安委員会は、愛知県暴力団排除条例の規定(利益の供与等の禁止)に違反したとして、同事業者に対し、利益の供与をしてはならない旨の勧告をするとともに、同組長らに対し、利益の供与を受けてはならない旨の勧告を行った(愛知)。

⑤ 保護対策等の強化

暴力団排除等のための情報提供と保護対策の徹底は、暴力団排除活動の基盤となるものである。警察では、23年12月、事業者等からの情報提供の要請に的確に対応し、暴力団情報を積極的かつ適切に提供していくため、暴力団情報の部外への提供の在り方を見直すとともに、暴力団等による犯罪の被害者、暴力団排除活動関係者、暴力団との取引、交際その他の関係の遮断を図る企業の関係者等の安全を確保するため、新たに「保護対策実施要綱」を制定した。

このように、警察では、暴力団との関係遮断を図ろうとする者に対し、必要な情報の提供を行うのみならず、そうした者の安全を確保するため、同要綱に基づいて身辺警戒員(略称「PO」(Protection Officer))をあらかじめ指定して警戒体制を強化するなど、組織の総合力を発揮した保護対策に取り組んでいる。

⑥ 暴力団構成員の社会復帰対策の推進

暴力団を壊滅させるためには、構成員を一人でも多く暴力団から離脱させ、その社会復帰を促すことが重要であることから、警察では、暴追センター、関係機関・団体等と連携して、全国に社会復帰対策協議会を設立するとともに、暴力団から離脱しようとする者に対して個別に指導・助言を行うなどしている。

 
保護対策訓練の状況
保護対策訓練の状況

(4)総合的な銃器対策

銃器発砲事件は、暴力団等によるとみられるものが多数を占めていることなどから、警察では、暴力団が管理する拳銃の摘発に重点を置いた取締りを行うなど、総合的な銃器対策を推進している。

① 政府を挙げた諸対策の推進

厳しい銃器情勢に対処するため、国家公安委員会委員長を議長とする銃器対策推進会議の下、関係機関が連携して対策を推進している。平成26年5月には、国内に潜在する銃器の摘発、国民の理解と協力の確保等を内容とする「平成26年度銃器対策推進計画」が策定された。

② 警察の取組
ア 銃器の摘発

警察では、拳銃に係る情報の収集を強化するとともに、様々な捜査手法を駆使して、犯罪組織の武器庫の摘発や、拳銃の密輸・密売事件の摘発に重点を置いた取締りを行っている。また、水際での取締りを強化するため、税関、海上保安庁等の関係機関との連携を強化している。

事例

道仁会傘下組織構成員(34)らは、福岡県内のアパートの一室において、拳銃10丁、拳銃実包129個等を所持していた。26年11月までに、同構成員ら7人を銃刀法違反(拳銃加重所持)等で逮捕した(福岡)。

 
押収された拳銃
押収された拳銃
イ 国民の理解と協力の確保

警察では、広く国民からの拳銃に係る情報提供を促すことを目的として、全国統一のフリーダイヤル番号を設定し、各都道府県警察で通報を受け付け、提供された情報の内容や捜査への協力の度合いに応じて報奨金を支払う「拳銃110番報奨制度」を導入している。26年中の架電数は3,811件であり、通報を端緒とする拳銃の押収丁数は17丁、報奨金額は75万円であった。このほか、「薬物銃器根絶の集い」を始めとする関係機関・団体と連携した活動を推進し、銃器犯罪の根絶と違法銃器の排除を広く国民に呼び掛けている。

 
拳銃110番報奨制度のポスター
拳銃110番報奨制度のポスター
 
図表-40 拳銃110番報奨制度による拳銃の押収状況等の推移(平成20~26年)
図表-40 拳銃110番報奨制度による拳銃の押収状況等の推移(平成20~26年)
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