2 サイバー犯罪の情勢
(1)サイバー犯罪の検挙状況
平成26年中のサイバー犯罪の検挙件数は7,905件と、前年より208件(2.6%)減少した。
① 不正アクセス禁止法違反
26年中の不正アクセス禁止法(注)違反の検挙件数は364件と、前年より616件(62.9%)減少した。一方、検挙人員は170人と、前年より23人(15.6%)増加した。
注:不正アクセス行為の禁止等に関する法律
② コンピュータ・電磁的記録対象犯罪等
26年中の刑法に規定されている不正指令電磁的記録に関する罪(コンピュータ・ウイルスに関する罪)及びコンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪の検挙件数は192件と、前年より286件(59.8%)減少した。このうち、コンピュータ・ウイルスに関する罪の検挙件数は28件であった。
③ ネットワーク利用犯罪(注1)
26年中のネットワーク利用犯罪の検挙件数は7,349件と、前年より694件(10.4%)増加し、過去最多となった。特徴として、オークション利用詐欺の検挙件数が381件と、前年より223件(141.1%)増加する一方、出会い系サイト規制法(注2)違反の検挙件数は279件と、前年より60件(17.7%)減少した。
注1:その実行に不可欠な手段として高度情報通信ネットワークを利用する犯罪
注2:インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
注2:インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
図表3-2 サイバー犯罪の検挙件数の推移(平成22~26年)
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事例
自営業の男(43)らは、女性を装ってチャットサイトで知り合った被害者に、画像閲覧用のアプリと偽ってスマートフォンの電話帳データを不正に取得するコンピュータ・ウイルスをダウンロードさせ、電話帳データを窃取した。また、同被害者が送信したわいせつな動画を「抜き取った電話帳データを使ってばらまく」などと言って脅し、現金20万円を喝取した。26年4月、同自営業の男ら2人を不正指令電磁的記録供用罪及び恐喝罪で逮捕した(千葉)。