第4章 安全かつ快適な交通の確保

2 近年死者数が減少している要因

近年、死者数が減少傾向にある要因としては、シートベルト着用者率が向上して事故の被害が軽減されていること、高速で走行する車両の事故が減少していること、悪質・危険性の高い事故が減少していること、歩行者の法令違反が減少していることなどが考えられる。

(1)シートベルト着用者率の向上

平成24年中のシートベルト非着用者の致死率は着用者の13.8倍であり、シートベルトの着用が交通事故の被害軽減に寄与していると認められる。シートベルト着用者率が5年以降ほぼ毎年向上していることが、自動車乗車中の死者数が減少している一因であると考えられる。

 
図4-3 シートベルト着用者率及び致死率(自動車乗車中)の推移(平成15~24年)
図4-3 シートベルト着用者率及び致死率(自動車乗車中)の推移(平成15~24年)
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(2)事故直前の車両速度の低下

平成24年中の80キロメートル毎時を超える高速の事故での死亡事故率は、80キロメートル毎時以下の59.2倍である。こうした高速走行の事故が減少していることが、死者数が減少している一因であると考えられる。

 
図4-4 一般道における危険認知速度別交通事故件数の推移(平成15~24年)
図4-4 一般道における危険認知速度別交通事故件数の推移(平成15~24年)
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(3)悪質・危険性の高い事故の減少

平成24年中の飲酒運転や最高速度違反による事故の死亡事故率は、全体と比べると飲酒運転が8.4倍、最高速度違反では21.1倍と高くなっている。これら悪質・危険性の高い事故が減少していることが、死者数が減少している一因であると考えられる。

 
図4-5 飲酒運転・最高速度違反による交通事故の構成率及び死者数の推移(平成15~24年)
図4-5 飲酒運転・最高速度違反による交通事故の構成率及び死者数の推移(平成15~24年)
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(4)歩行者の法令遵守

平成24年中の歩行中の死者数に占める違反のある者の割合は59.3%である。近年、違反のある歩行中の死者数が減少傾向にあり、これが、歩行中の死者数が減少している一因であると考えられる。

 
図4-6 違反あり歩行中死者及び歩行中死者・死傷者数の推移(平成15~24年)
図4-6 違反あり歩行中死者及び歩行中死者・死傷者数の推移(平成15~24年)
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