アピーくん
「人として恥ずかしいことをしたと気付きました」被災地を狙った津波泥棒の犯人が自供した瞬間です。
これより5か月前、東日本大震災により管内の沿岸部は津波被害を受け、住民は途方に暮れていました。そんな中、震災3日後の深夜、被災地区で十数件の連続空き巣事件が発生しました。住民が避難し無人となった住宅から現金やテレビ等が盗まれたのです。
私たちは、懸命に聞き込み捜査をしましたが、有力な情報はありませんでした。私は、廃屋と化した住宅を呆然と見つめる被害者のために「犯人を絶対に逮捕する」と強く決意し、数名の部下とともに近隣の不良グループの分析や他の被災地区での聞き込みを継続して、目に見えぬ犯人を追い続けたのです。
数か月後、一人の刑事が「別の窃盗事件で捜査中の男が津波泥棒をしたらしい」との情報を聞き込んで来ました。そして、その20代の男を取り調べた結果、犯行を自供。発生から5か月以上を経て、少年を含む計6名を逮捕し、被害品の一部を被害者に返すことができたのです。卑怯なやつは許さない、という刑事の執念が報われた瞬間でした。
私たちは、全ての住民が安心し、笑顔で暮らせる日が来るまで、これからも犯人を追い続けます。