第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 |
7 食の安全に係る事犯、保健衛生事犯等
(1)食の安全に係る事犯
平成23年中の食の安全に係る事犯(注1)の検挙状況は表2-7のとおりであり、水道水を名水と偽り使用済みペットボトル等に詰めて販売した事犯や外国産食品を国産食品と表示して原産地を偽装した事犯の検挙が見られた。(2)保健衛生事犯
警察では、厚生労働大臣の承認を得ていない医薬品(以下「無承認医薬品」という。)を広告・販売するなどの薬事法違反、無資格で顔面にコラーゲンを注入するなどの医療行為を行う医師法違反等の保健衛生事犯(注2)の取締りを行っている。無承認医薬品については、最近、中国を仕出地とするものが多く、平成23年中の無承認医薬品の広告・販売に係る薬事法違反事件で無承認医薬品の仕出地が国外と判明した46事件のうち、22事件が中国仕出しであった。これらの無承認医薬品については、無承認医薬品の広告が掲載されている日本語のウェブサイトを通じて注文を受け付け、外国から国際郵便で日本の購入者に届けられるという形態で流入するものが多い。(3)知的財産権侵害事犯
平成23年中の知的財産権侵害事犯の検挙状況は表2-8のとおりであり、偽ブランド品については表2-9のとおり、大半が中国から密輸入されている。これらの偽ブランド品については、偽ブランド品の広告が掲載されている日本語のウェブサイトを通じて注文を受け付け、外国から国際郵便で日本の購入者に届けられるという形態で密輸入されるものが多い。コラム⑥ 無承認医薬品及び偽ブランド品に係るインターネット上の違法な情報への対策
警察では、無承認医薬品(78頁参照)や偽ブランド品の広告が掲載されている国内外のウェブサイトにつき、外国捜査機関や国内のプロバイダに対して削除等を要請している。23年中には、中国等の外国捜査機関に対し、無承認医薬品の広告が掲載されているウェブサイト130件、偽ブランド品の広告が掲載されているウェブサイト448件の削除等を要請するとともに、国内のプロバイダ等に対し、無承認医薬品の広告が掲載されているウェブサイト150件、偽ブランド品の広告が掲載されているウェブサイト42件の削除を要請した。(4)環境事犯
警察では、環境を破壊する犯罪のうち、広域にわたる産業廃棄物の不法投棄事犯等の悪質な事犯であって、組織的・計画的な事犯、暴力団が関与する事犯、行政指導を無視して行われる事犯を重点的に取り締まるとともに、関係機関に必要な情報を提供して、環境被害の拡大防止と早期の原状回復を促している。 第1節 犯罪情勢とその対策 |
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