第2章 組織犯罪対策の推進

3 銃器情勢

平成22年中の銃器情勢は、一般国民や民間企業を対象とした暴力団等によるとみられる銃器発砲事件が相次いで発生し、銃器を使用した事件(注)も後を絶たず、依然として厳しい状況にある。

注:銃砲及び銃砲様の物を使用した事件。「銃砲」とは、「けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃」(銃砲刀剣類所持等取締法第2条第1項)をいう。「銃砲様の物」とは、銃砲らしい物を突き付け、見せるなどして犯行に及んだ事件において、被害者、参考人等の供述等により、銃砲と推定されるものをいう。

(1)銃器発砲事件の発生状況

平成22年中の銃器発砲事件の発生件数は35件と前年より1件(2.9%)増加したものの、死傷者数は17人と、3人(15.0%)減少した。このうち、暴力団等によるとみられるものは17件と、全発砲事件の48.6%を占めている。

都道府県別の発生状況をみると、東京都での発生が全体の25.7%を占めており、7件以上の発生があったのは、東京都(9件)及び福岡県(8件)であった。

図2―8 都道府県別銃器発砲事件の発生状況(平成22年)

図2―9 銃器発砲事件の発生状況と死傷者数の推移(平成13~22年)

(2)銃器使用事件の認知件数

銃器を使用した事件の認知件数の推移は図2―10のとおりであり、平成17年から減少傾向にある。罪種別では、殺人は19件と、前年より5件増加し、強盗は60件と、前年より40件減少した。

図2―10 銃器使用事件の認知件数の推移(平成13~22年)


第2節 薬物銃器対策

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