特集I:東日本大震災と警察活動 |
6 警察の被害状況
(1)殉職
東日本大震災において、職務執行中に被災し死亡が確認された警察官は25人、行方不明となった警察官は5人に上った(平成23年6月20日現在)。これらのほとんどは、津波からの避難誘導に当たっており、中には非番日にもかかわらず現場に駆けつけた者もいた。
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事例 岩手県陸前高田市の中心部にあった大船渡警察署高田幹部交番は、街頭パトロールの強化等により犯罪を激減させた功績で、平成23年2月、岩手県警察で初めて「優秀交番」に選出された交番である。この実績を導いた交番所長は、同年3月末の定年退職を目前に控える中、勤務中に震災に遭遇し、殉職した。津波が港の水門を越えたとの報告を部下から受けたこの所長は、住民らを避難させるよう指示した後、「ここからが俺の本当の仕事」と言い残し、無線で指揮をとるため交番に独り踏みとどまり、津波に飲み込まれた。 被災した岩手県大船渡警察署高田幹部交番 |
(2)警察施設等の被害状況
福島県警察では、警察本部庁舎が地震により被害を受けたため、災害対策本部機能を福島警察署に移転させた。また、岩手県釜石警察署、宮城県気仙沼警察署及び同県南三陸警察署が津波で使用不能になるとともに、多数の交番・駐在所が全半壊した。さらに、警察用車両や船舶にも大きな被害が生じた。
被災した宮城県岩沼警察署閖上駐在所
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第2節 主な警察の活動 |
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