第3章 安全かつ快適な交通の確保 

2 総合的な暴走族対策の推進

(1)暴走族の実態と動向
 全国の暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数は、共に前年より減少しているが、依然として暴走族対策の強化を求める国民の要望は強い。
 暴走族は、共同危険型(爆音を伴う暴走等を集団で行うもの)及び違法競走型(ローリング、ドリフト走行等の違法な走行により運転技術等を競うもの)に大別される。図3-25のとおり、違法競走型は全体の12.7%であり、暴走族の大半は共同危険型である。また、これまでは少年が多数を占めていたが、近年、成人の占める割合が大きくなっている。
 また、近年、元暴走族構成員や暴走族構成員が中心となって「旧車會」を結成し、景勝地等を目指して、暴走族風に改造した旧型の自動二輪車等を連ねて、大規模な集団走行を行う状況が、各地で確認されている。
 暴走族の引き起こす犯罪は、道路交通関係法令違反のほか、刑法犯、薬物犯罪等様々な罪種にわたっており、暴走族同士の対立抗争や一般人に対する傷害事件等も発生している。さらに、一部には、暴力団の予備軍的な存在となっている集団も確認されている。
 
表3-10 暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数の推移(平成17~21年)
表3-10 暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数の推移(平成17~21年)
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図3-25 共同危険型・違法競走型別暴走族構成員の状況(平成21年)
図3-25 共同危険型・違法競走型別暴走族構成員の状況(平成21年)
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表3-11 法令別検挙状況(平成21年)
表3-11 法令別検挙状況(平成21年)
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暴走族に対する運輸支局との合同取締り
暴走族に対する運輸支局との合同取締り

(2)暴走族の取締り及び関係機関と連携した諸対策の推進
 警察では、交通部門、少年部門、地域部門等が連携し、共同危険行為等の現場検挙を始め各種法令を適用した取締りを推進し、暴走族の解体や構成員の脱退を図っている。
 また、地方公共団体における暴走族根絶(追放)条例の制定(注)及び運用に対して協力したり、中学校・高校において暴走族加入阻止教室を開催したりするほか、家庭、学校、保護司等と連携して暴走族から離脱させる措置をとるなど、総合的な暴走族対策を推進している。

注:平成21年末現在、24都道府県155市町村において制定

 
暴走族対策会議
暴走族対策会議

 第5節 道路交通秩序の維持

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