第6章 公安委員会制度と警察活動の支え 

3 国民に開かれた警察活動を目指して

(1)警察署協議会
 警察は、地域の犯罪や交通事故を防止するなどの様々な活動を行うに際して、住民の意見・要望を十分に把握しなければならない。また、その活動が成果を上げるためには、住民の理解と協力を得ることが不可欠である。
 そのため、原則として全国のすべての警察署に警察署協議会が置かれており、警察署長が警察署の業務について住民の意見を聴くとともに、理解と協力を求める場として活用されている。その委員については、都道府県公安委員会が、警察署の管轄区域内の住民のほか、地方公共団体や学校の職員等、地域の安全に関する問題について意見、要望等を表明するにふさわしい者に委嘱しており、外国人や学生を含む幅広い分野等から委嘱された委員が全国で活動している。平成18年6月1日現在、1,215署に協議会が設置され、総委員数は10,899人である。
 
 図6-6 委員の分野別構成
図6-6 委員の分野別構成
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 図6-7 委員の年齢別構成
図6-7 委員の年齢別構成
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事例1
 山形県村山警察署協議会で、委員が「少年に対して、自転車を盗むことが悪いことだという意識を啓発することが大事だ。そのために地域運動を展開できないか」との意見を述べたことを受け、17年10月、同署は地域安全運動の一環として、学校等と連携の上、駐輪場のパトロールを強化したり、自転車の施錠を少年にうながしたりするなど、自転車盗難防止対策に関する啓発活動を強化した。
 
 委員による駐輪場の視察
写真 委員による駐輪場の視察

事例2
 宮城県築館警察署協議会で、委員が「郵便局と協定を結び、郵便配達中に目撃した不審者等の情報を警察署に提供してもらえば、安全で安心なまちづくりにつながるのではないか」との意見を述べたことを受け、17年6月、栗原市を管轄する同署及び若柳警察署は同市内の全郵便局(23局)との間で地域安全協定を締結した。この協定により、各郵便局は両署に対し、不審者・不審車両に関する情報、事件・事故に関する情報、災害危険箇所に関する情報等を提供することとなった。

(2)情報公開
 警察庁では、警察庁訓令・通達公表基準に基づいて、訓令及び施策を示す通達を原則として公表することとし、ウェブサイトに掲載している。また、文書の閲覧窓口を設置し、警察白書や統計、報道発表資料等の文書を一般の閲覧に供している。
 平成17年度中は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求が、国家公安委員会に対して1件、警察庁(附属機関及び地方機関を含む。)に対して175件行われ、その開示・不開示の判断を国家公安委員会・警察庁における情報公開法審査基準に基づき行った。

(3)個人情報保護
 国家公安委員会と警察庁は、平成17年4月から行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「行政機関個人情報保護法」という。)が施行されたことを受け、警察庁における個人情報の管理に関する訓令を制定し、個人情報の管理体制を定めるなどして保有する個人情報の適正な取扱いに努めている。
 同年度中は、行政機関個人情報保護法に基づく開示請求が、国家公安委員会に対して2件、警察庁(附属機関及び地方機関を含む。)に対して9件行われた。
 また、同年3月までにすべての都道府県において、警察を実施機関とするための個人情報保護条例の改正が行われており、18年中にすべての都道府県において施行される見込みである。

(4)政策評価
 国家公安委員会と警察庁は、従来の「国家公安委員会及び警察庁における政策評価に関する基本計画」(以下「基本計画」という。)の計画期間が平成17年12月31日までとされていたことから、18年から20年までを計画期間とする基本計画を新たに策定した。18年に実施する政策評価については、この新しい基本計画に基づいた計画を策定して実施している。
 
 表6-1 平成17年中の政策評価実施状況
表6-1 平成17年中の政策評価実施状況

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