第1章 安全・安心なインターネット社会を目指して |
事例1
無職の男(34)は、平成17年3月、自ら管理する電子掲示板に他の者が撮影して投稿した児童ポルノ画像を公然と陳列した。同年12月、電子掲示板を管理する無職の男及び児童ポルノ画像を投稿した男ら8人を児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ法」という。)(児童ポルノ公然陳列)違反で逮捕した(愛知)。 |
事例2
コンピュータプログラマーの男(31)は、17年6月、他人に譲渡する目的で覚せい剤を所持していた。同月、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)で逮捕するとともに、同年9月、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反(薬物犯罪のあおり、唆し)で追送致した。男は、携帯電話からアクセスすることのできる電子掲示板に覚せい剤等を販売する旨を掲載し、連絡してきた客に覚せい剤等を密売していた(静岡、群馬)。 |
事例1
高校生の少年(18)は、17年6月、爆発物の製造方法に関する情報を掲載するウェブサイトを閲覧して、そこで得た情報を基にガラス瓶に火薬を詰めた爆発物を製造し、これを自らが在籍する高等学校の教室で爆発させて、同級生28人を負傷させた。傷害罪で現行犯逮捕するとともに、同年7月、爆発物取締罰則違反(爆発物の所持)で再逮捕した(山口)。 |
事例2
会社員の男(32)は、17年2月、モデルガンを改造したけん銃を所持していた。同月、銃砲刀剣類所持等取締法違反(所持)で逮捕するとともに、改造けん銃3丁を押収した。男は、改造けん銃を、インターネット・オークションを利用して密売していた(愛知、警視庁)。 |
事例3
無職の少年(17)は、17年5月、携帯電話からアクセスすることのできる電子掲示板を通じてひったくりの共犯者を募り、同電子掲示板を通じて知り合った塗装工の男(27)と共謀し、同年6月、道路を通行していた女性から手提げバッグを奪った。同年7月までに、窃盗罪で逮捕した(警視庁)。 |
事例4
無職の男(49)は、17年12月、その長男(25)と共謀して、電子掲示板に「半殺し50万円。殺したら100万円。年内に達成なら倍額」等と実父の殺害を依頼する書き込みをし、これを見て連絡してきた派遣会社社員の男(36)に実父を殺害させた。18年2月までに、殺人罪で逮捕した(長野)。 |
コラム1 インターネットで殺人依頼~復讐サイトの落とし穴~
A子(32)は、職場の上司の男と不倫関係にあった。いずれは男が妻と別れて自分と一緒になってくれると信じ交際を続けていたが、男は自分の妻が身ごもると、A子の前で妻を大切にするような言動をとるようになり、A子に対しては暴力を振るうようになった。 A子は「裏切られた」と感じた。男への愛情は復讐心へと変わり、そして「奥さんやお腹の子どもがいなくなれば男に復讐できる」と考えるようになった。 折しも、A子は、インターネット上の有償で他人に対する恨みを晴らすと宣伝する「復讐代行サイト」を見付け、男の妻の殺害を依頼した。このサイトの管理者は、着手料と称して165万円を受け取り、自称探偵業の男を紹介した。しかし、そのサイト管理者と自称探偵業の男は当初から殺害する意図などなく、殺害計画や必要経費をでっち上げ、A子から数回にわたり合計で約1,500万円をだまし取った。A子は、消費者金融から借金をしてまで請求された費用を払い続けたが、いつになっても殺害が実行されることがなかったことから、「だまされているのではないか」と疑念を抱いて警察に相談し、一連の事件が発覚した。 A子は暴力行為等処罰ニ関スル法律違反(犯罪請託罪)で逮捕され、起訴猶予となったものの、職場を解雇された。不倫相手の男は、A子に対する傷害罪で逮捕され、50万円の罰金刑に処され、同じく職場を解雇された。 また、サイト管理者と自称探偵業の男は、それぞれ詐欺罪で逮捕・起訴され、サイト管理者は懲役1年6か月、執行猶予4年の判決、自称探偵業の男は懲役2年6か月の実刑判決を受けた。 |
事例1
いわゆる自殺サイトで知り合った男2人A(28)、B(23)と少女(17)は、17年8月、自殺するためA宅に集まり、密閉した室内で炭の入ったこんろを使用し、一酸化炭素中毒により死亡した(愛知)。 |
事例2
派遣会社社員の男(36)は、人が窒息して苦もんする表情を見て性的快感を得ようと考え、17年2月、いわゆる自殺サイトで知り合った女性を、駐車場に止めた車両内で殺害し、その死体を河川敷に遺棄した。同年8月、殺人罪及び死体遺棄罪で逮捕した(大阪)。 |
第1節 国民の生活を脅かすインターネット社会の現実 |
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