第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

2 昭和30年代の日本警察

 昭和30年代は、神武景気を皮切りに高度経済成長を成し遂げた時代である。31年にソ連との国交が回復し、日本の国連加盟が承認された。34年には皇太子殿下(当時)が御成婚され、岩戸景気に沸いたが、同年に本格化した日米安全保障条約改定交渉は、翌年の安保闘争の激化につながった。39年には、日本がOECDに加盟し先進資本主義国の仲間入りしたほか、東海道新幹線が開通、東京でアジア初のオリンピックが開催されるなど、復興を内外に印象付けた。
 他方、終戦直後の混乱期にみられた犯罪の多発傾向は沈静化し、刑法犯は年間140万件前後で推移した。この中で大きく増加したのは粗暴犯と強姦で、30年代に戦後のピークを迎えた。また、経済成長に伴うモータリゼーションの進展や個人の生活圏の拡大が、犯罪の傾向に色濃く反映した時代でもあった。

 
表2-2 昭和30年代の主な事件・事故

表2-2 昭和30年代の主な事件・事故
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 第2節 日本警察50年史

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