第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

(2) 日本共産党の勢力拡大と暴力的破壊活動の展開

 20年に合法化された日本共産党は、敗戦後の国民生活の窮乏と社会不安を背景に党勢を増大させるとともに、労働組合や大衆団体の組織化に力を入れ、急速に影響力を拡大した。21年の第22回衆議院議員総選挙では、約214万票を得て結党以来初の議席となる5議席を獲得し、24年の第24回衆議院議員総選挙では、約298万票を得て35議席を獲得した。
 その後、26年の第5回全国協議会で「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」とする「51年綱領」を採択し、白鳥警部射殺事件(27年)、大須騒擾(じょう)事件(27年)等の暴力的破壊活動を展開した。
 警察は、これに対処するため、27年、20都道府県に機動隊を創設し、集団的違法行為の早期鎮圧と検挙活動に努めた。また、暴力的破壊活動を繰り返す日本共産党を国民は厳しく批判し、27年の第25回衆議院議員総選挙では公認候補が全員落選するなど、党勢は大幅に衰退した。

 
大須騒擾事件 ―デモ隊鎮圧に向かう警察官(写真提供:朝日新聞社)

大須騒擾事件 ―デモ隊鎮圧に向かう警察官(写真提供:朝日新聞社)

 第2節 日本警察50年史

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