第1章 地域社会との連帯 

(4) より良き生活環境のために

 〔1〕 風俗環境の浄化
 最近では、歓楽街のほか、住宅地域でも、いわゆるピンクビラが貼付・配布され、性風俗店の宣伝を行う捨て看板が設置されるなど、風俗環境が憂慮すべき状況にある。警察では、歓楽街を中心に、いわゆるピンクビラや捨て看板を媒介とする売春事犯等の違法行為の取締りのほか、都道府県風俗環境浄化協会その他の関係団体やボランティアと協力して、いわゆるピンクビラの除去等の風俗環境浄化活動を行い、犯罪の防止や街のイメージの向上を図っている。

事例1
広島市の流川・薬研堀地区では、違法広告物が氾濫し、街頭での客引き行為が横行するなど、風俗環境が悪化していたことから、平成15年5月、地区町内会、社交飲食店組合、区役所等の関係者から成る「広島市中央部安全・快適な街づくり協議会」を組織し、毎月1回、歓楽街の合同パトロールを実施している。また、街頭での客引き行為や喧嘩を防止するため、防犯カメラを設置し、地区内の犯罪の発生を減少させた。

 〔2〕 地域と連携した環境犯罪に対する取組み
 最近では、悪質な産業廃棄物の不法投棄事案が多発していることから、警察では、産業廃棄物事犯への監視体制を強化し、取締りを推進しているが、このような事案の発見には、地域住民やボランティアが活躍している。例えば、警察本部長又は警察署長によって環境監視モニターとして委嘱された地域住民やボランティアが、日常生活の中で廃棄物の不法投棄場所や不法焼却現場等を発見した際に、警察への通報を行っている。

事例2
環境監視モニターとして委嘱された男性が、山中にタマネギ屑が大量に投棄され、異臭を放っているのを発見し、警察に通報した。この通報に基づき、警察官がパトロールを強化していたところ、現場付近で、荷台にタマネギ屑の入ったプラスチックコンテナ20数個を載せた貨物自動車を発見し、15年5月までに、関係者2人を廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で検挙した(兵庫)。

 第2節 治安回復に向けた地域社会との協働

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