(5)サイバーテロへの技術的対応
近年,ルートDNSサーバ(注1)に対するDDoS攻撃(注2),悪質なコンピュータ・ウイルスの世界規模でのまん延等がみられるなど,サイバーテロの脅威が現実のものとなりつつある。
(注1)ルートDNSサーバ:インターネット上でドメイン名とIPアドレスを対応させるための情報を提供するネームサーバの最上位に位置するものであり,平成14年10月当時の設置台数は,世界で13台(日本に1台)であった。
(注2)DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃:攻撃目標のサーバに対して,複数のサーバやパソコンから同時に大量のデータを送りつけ,その機能を停止させる電子的攻撃。
警察では,サイバーテロに的確に対応するため,平成13年4月,警察庁にサイバーテロ対策技術室を,各管区警察局に技術対策課を設置し,これらに所属する高度な技術を有する者で構成した機動的技術部隊としてサイバーフォースを創設した。サイバーフォースでは,24時間体制によるサイバーテロの予兆の把握,事案の早期認知に努めるとともに,都道府県警察,重要インフラ事業者等との一層の連携を図るなど,緊急対処体制の強化を進めている。
また,民間の最先端技術の修得や外国捜査機関等との情報交換,緊急対処に必要な技術の研究開発等を通じ,日々高度化する技術に対応できる体制を維持するとともに,サイバーテロ対策に有効な技術情報について広く一般に提供している。
24時間体制によるサイバーテロの予兆把握