第3章 犯罪情勢と捜査活動 

(3)談合・競売入札妨害事件

 平成14年中の談合及び競売入札妨害事件の検挙事件数は15件,検挙人員は84人である。

事例1
 阪神高速道路公団大阪管理部次長(59)らは,11年12月及び12年12月にそれぞれ執行された環境対策工事の指名競争入札に関し,設計金額の概数を建設会社の実質経営者らに内報するなどして同建設会社に落札させ,偽計を用いて公の入札の公正を害した。14年11月,偽計入札妨害罪で検挙した(大阪)。

事例2
 長崎市議会議員(57)は,13年5月に執行された「ふれあいセンター」新築主体工事の公募型指名競争入札に関し,同市担当職員から最低制限価格比率の教示を受けて,土木建築会社の役員に内報するなどして同社に落札させ,偽計を用いて公の入札の公正を害した。14年10月,偽計入札妨害罪で検挙した。このほか,現職市議会議長ら4人の長崎市議会議員も同様に偽計入札妨害罪で検挙し,うち1人については賄賂を収受したことが判明し,あっせん収賄罪で検挙した(長崎)。

 

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