(2)通信指令システムの概要
110番通報に迅速かつ的確に対応するため,都道府県警察ごとに通信指令室が設けられている。110番通報を受理した通信指令室では,直ちにパトカーや交番等の地域警察官を現場に急行させるとともに,必要に応じて緊急配備の発令,他の都道府県警察への通報等を行い,人命の救助,被疑者の早期検挙等に努めている。
また,警察では,リスポンス・タイムの短縮のため,事案発生場所の早急な把握のための地理情報システムの導入やパトカーの活動状況が容易に把握できるカーロケータ・システムの導入等,通信指令システムの高度化に努めている。
通信指令室
1)緊急配備
重要事件等の発生に際し,被疑者を迅速に検挙し,事後の捜査資料を得るため,交番等の地域警察官を中心として,必要な警戒員を臨時かつ集中的に検問,張り込み等のために配置することを緊急配備と呼んでいる(表2-5)。
表2-5 緊急配備実施状況の推移(平成10~14年)
2)リスポンス・タイム
通信指令室が110番通報を受理し,パトカー等に指令してから警察官が現場に到着するまでの所要時間のことをリスポンス・タイムと呼んでいる。平成14年中の110番集中収容地域(注)におけるリスポンス・タイムの平均は7分2秒であった。
(注)110番通報を警察本部の通信指令室で直接受理するシステムが設けられている地域をいう。これ以外の地域では,警察署で110番通報を受理している。
表2-6 110番集中収容地域における刑法犯のリスポンス・タイムと現場周辺における検挙状況(平成14年)