杉 良太郎 特別防犯対策監、橘 慶太 特別防犯支援官
ゆうちょ銀行との新しい還付金詐欺等の対策/ATMでの携帯電話使用に警告表示開始
2024年2月20日
「ストップ・オレオレ詐欺47〜家族の絆作戦~」プロジェクトチーム(略称:SOS47)は、全国で被害が相次ぐオレオレ詐欺等の特殊詐欺に関する知識や被害防止策を分かりやすく伝え、特殊詐欺被害を防止するため、2018年より、全国47都道府県警察と共に対策及び広報啓発活動を行っています。
この度、警察庁とゆうちょ銀行の新たな取り組みとして始める“携帯電話を使用しながらのATM操作に対する警告表示開始“の発表会見が行われ、杉良太郎特別防犯対策監と動画に出演した橘慶太特別防犯支援官の2名が出席しました。
イベントレポート
橘支援官「冷静に考えられない心理状態の方に踏みとどまってもらうためには、強く、シンプルに、『その電話は詐欺です!今すぐ電話を切って!』と警告することが必要です。」
会見の中で、橘支援官は、被害者をATMへ誘導し、犯人の口座に送金させる特殊詐欺の手口について、「非常に悪質で、許すことのできない犯罪です。『払い戻しには期限がある』などと焦らせ、正常な判断をさせなくする手口も非常に巧妙だと感じています。この手口はいわゆる『還付金詐欺』と呼ばれるものですが、役所などの職員を名乗り、『医療費・保険料の還付金を受け取ることができます』といった内容の電話がかかってきます。実際、ATMで還付金は絶対に戻ってきません。電話でATMやお金の話が出たら詐欺です。すぐに電話を切ってご家族や警察に相談してください!」と呼びかけました。
続けて、「被害に遭いやすい高齢者の方は、その日その日によって体調が変わることが多いですし、特殊詐欺の犯人は毎日何十本、何百本も電話をかけていて、日々人を騙すスキルを磨いているので、なかなか高齢者の方だけで被害を防ぐというのが難しいのが現状です。そこで、AIカメラで検知した「詐欺の被害に遭っていると思われるお客様」に対し、この警告表示で今まさに被害に遭いかけている利用者に警告をします。犯人からの巧みな誘導で冷静に考えられない心理状態の方に踏みとどまってもらうためには、強く、シンプルに、『その電話は詐欺です!今すぐ電話を切って!』と警告することが必要です。今回私が出演した警告表示によって、1件でも多くの被害を防ぐことができればと思っています。」
「またこういった警告に関わらず、携帯電話で話しながらATMを操作している人を見かけたら、『大丈夫ですか?』などと声をかけたり、銀行職員に相談したりして、皆さんで特殊詐欺の被害を防いでほしいと思っています。」と述べ、警告表示の活用と、「ATMでの携帯電話の通話は、しない、させないこと」を社会の常識として定着させることを目的とした「ストップ!ATMでの携帯電話」運動について、協力を求めました。
杉対策監「特別防犯支援官の声で注意喚起を行うという特殊詐欺被害を防ぐための前例のない取り組みに、今後の反響を期待しています。」
最後に、杉対策監が登壇、「ATMでの特殊詐欺被害がますます増えている中、今回ゆうちょ銀行様にご協力いただくことになりました。前例がない中、どういった反響があるかを期待したいと思っています。昨今は特殊詐欺被害が相当数増えており、非常に由々しき問題だと思い、警察庁としてやるべき事に取り組んでいますが、あまりにもインターネット関連等のサービスが便利になり、取り締まる側が追いつかないと感じています。ですが、何としてでも元を断ちたいと思い、地道に官民一体となって懸命に取り組んで行きたいと思っています。今回、ゆうちょ銀行様が被害者を出さないために取り組んで下さったことに感謝するとともに、皆様には今後も見守っていただき、ますますのご協力のほど、よろしくお願いいたします。」と述べ、今回の新たな取り組みへの期待と、今後の被害防止対策についても引き続き協力を求めました。
開催概要
- 催事名:ゆうちょ銀行 × 警察庁 STOP!ATMでの携帯電話〜AI画像分析を活用した警告表示〜
- 実施日:2024年2月20日(火)
- 実施会場:大手町プレイス
- 出席者:
警察庁 特別防犯対策監 杉 良太郎 氏
警察庁 特別防犯支援官 橘 慶太 氏
(参考)株式会社ゆうちょ銀行プレスリリース
「AI画像分析を活用した特殊詐欺被害防止対策の全国展開について」
https://www.jp-bank.japanpost.jp/aboutus/press/2023/abt_prs_id001842.html